架空請求ハガキ急増 vs 架空請求見破るアプリ

「法務省管轄支局」など公的機関を装ったはがきを郵送し、訴訟をちらつかせて金をだまし取ろうとする架空請求が神奈川県内で急増しているというニュースを目にしましたのでハガキを使った架空請求についてまとめました
県は「このようなはがきが届いても絶対に連絡先に電話せず、消費生活センターに相談してほしい」と注意喚起しています

古典的な手口が復活した理由

架空請求ハガキって、初代はいつからあるのかわからない位古典的な手口ではあります
ハガキを送付するには、当たり前ですがハガキ代と送料が必要になり、これも当たり前だけど送り先の住所と氏名は必要
その住所と氏名を印字する手間もありますよね

そんなお金も手間もかかるハガキを送るより、メールアドレスか電話番号さえわかればOKな電子メールという、安価で容易な手段が台頭し、不特定多数へ大量に送付出来る時代が到来します
まずSMSで大流行後、電子メールで、またSMSに戻るといった、時代背景による変化はありました

何故、今になってハガキを使う架空請求が再燃しているのかを考えてみました

  • ・迷惑メールのようにフィルターをかけ予め拒否することができない
  • ・メールよりも印字されたハガキのほうがリアリティがある
  • ・メールよりもインパクトがある
  • ・ハガキは手に取って見るという視覚効果がある
  • ・住所と氏名を特定されていると思わせ不安にさせる

といった感じではと思います
架空請求ハガキの多くは「裁判」「訴訟」「執行」「差押」といった、裁判手続を匂わせる非日常的な文面になっています
受け取った人をいかに不安にさせるか、焦らせるか、信じ込ませるかが詐欺師にとっては重要なことなのです

ハガキを受け取った人が例えば、「住所も名前も合ってる!」「裁判って書いてある、どうしよう!」と不安を感じ、中には「こんなの家族に見られたくない」と思う人もいるでしょう
もしくは「なんだこれは?間違いだ、電話してやる」でもいいのです

架空請求の特徴

  • ・裁判手続を匂わせる文書
  • 非日常的な文面で不安にさせる
  • ・何に対する支払いなのか具体的に書いていない
  • もしかしたら何か払い忘れがあったのかもと思わせる
  • ・詳細は問い合わせしないと分からない
  • 問い合せさせるため
  • ・問い合せるよう電話番号が書いてある
  • 上手く言いくるめるため
  • 問い合せてくる時点で高確率で騙せる

また「法務省」などの省庁の名で送られてくる郵便物はハガキでは来ません
「裁判所」からの郵便物は「特別送達」と封書の表に大きく書かれて(判が押されて)います
「重要」などの文字に効力はありませんので注意しましょう

架空請求ハガキの特徴はそのままSMSや電子メールでの架空請求でも同じですから覚えておきましょう

高齢者は常にターゲット
特に高齢者には本物か偽物かを判断するのは難しい場合が多く、架空請求自体初めて目にする方もいるのではと思われます
あなたは騙されない自信はあっても、ご家族はどうでしょうか?
下の資料にもありますように、架空請求ハガキによる被害者は男女とも60歳代が最多となっています

架空請求はオレオレ詐欺と同じ「特殊詐欺」の一つで、非常に多い詐欺手口であり、詐欺師はプロで、騙すことに長けています
仮に騙されても恥ずかしくない、騙された人を決して責めないといったことも念頭に置いて、家族同士が相談しやすい状態であることが望ましいと思います
また、このようにニュースなどで見掛けた際などは話題にして、お互い注意喚起するといったことも大切でしょう

自分で判断できないなら
架空請求かどうか自分で判断できない場合は、決して焦らずに誰かに相談しましょう
架空請求だと解ってるんだけど自信が持てない時も同じです

家族や友人が無理なら、下記にもありますように、公的機関である消費者ホットライン、局番なしの188(いやや!)で相談しましょう
最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口などを紹介してくれます

ただ、ほんの少しでも変だな、おかしいなとクエスチョンマークが浮かぶなら、それは正解、大正解
私達は品物を購入したり、何かを契約したり、様々な場面でお金を払いますが「えー、なんでなんだよ」と疑問が湧いたまま支払うことはまずしません
ほんのわずかでも「えっ?!」と頭に浮かんだら支払いはストップ

架空請求ハガキの対処法
最善の対処法は、絶対に問い合わせをしない、無反応で通すこと
「こんな料金、覚えが無い!」と例えクレームをつけてもムダです
悪徳業者にしてみれば何らかの反応を示す人は「カモ」なので、逃す手はないわけです

こちらも併せてご覧ください
・架空請求とは?対処法は?

各機関の有効なリンク

神奈川県HP
・架空請求に関するハガキ等を送りつけてくる事業者名等一覧より
神奈川県内の消費生活センター等消費生活相談窓口に、ハガキ、封書やメールなどによる身に覚えのない架空請求に関する相談が多数寄せられています。
かながわ中央消費生活センターでは、消費者被害の未然・拡大防止を図るため、当センターや県内市町村の相談窓口に相談者が架空請求だとして寄せられた相談情報の中から、架空請求に関するハガキ等を送りつけてくる事業者名などを情報提供いたします
こちらからハガキ等の実物(PDF)を見ることができます
・PDFファイル

新着情報
事業者名
1.民事訴訟管理センター
2.法務省管轄支局民事訴訟管理センター
3.法務省管轄支局日本中央機構
4.法務省管轄支局国民訴訟通達センター
5.法務省管轄支局国民訴訟お客様管理センター
6.法務省管轄支局訴訟最終告知通達センター
7.法務省管轄支局国民訴訟通達センター(封書)
8.地方裁判所管理局

「民事訴訟管理センター」「法務省管轄支局民事訴訟管理センター」といった、ハガキの差出人が「公的機関であるかのよう」になっていることが多く
こういったことも被害者を増やす一因となっています
上記の事業者名に並ぶ公的機関もどきの名称を試しにネット検索してみると、どれも「架空請求です」といった旨のウェブページが並びます

消費者庁
・架空請求にご注意ください!より
「訴訟最終告知という内容のハガキが届いたが、覚えがない」、「利用した覚えがない架空の請求を受けているが、どうしたらよいか」という相談が、全国の消費生活センターへ寄せられています。
このような架空請求に関する相談件数が急増している現状を踏まえ、架空請求による消費者被害の未然防止、拡大防止を図るため、架空請求対策パッケージを取りまとめました(平成30年7月22日消費者政策会議決定)。

消費者ホットライン
局番なしの188(いやや!)
原則、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口などをご案内します。
相談できる時間帯は、相談窓口により異なります。

・それ、詐欺かもしれません!
・架空請求対策パッケージ(概要)
・架空請求対策パッケージ(本文)

参考資料によると
男女とも60歳代が最多ですが、女性の割合が2017年度からグッと増加、特に50歳代、60歳代の女性の相談が急増しています

公的機関もどきの名称をネット検索している時に見つけましたが、架空請求ハガキにドヤ顔(きっとそう)で書かれた文面に、激しく突っ込む山梨県警のtwitterが面白かったです
ついフォローしてしもうたやん
「詐欺への抵抗力を高めてください」って言い回しも好きだなあ

・山梨県警察@YamanashiPoliceより
【抵抗力】架空請求ハガキを受け取ったことがありますか?
▶一度見ておけば、抵抗力がついて詐欺を見破れます(ハガキはツッコミどころ満載)
▶でも、始めて見た人は驚いてだまされてしまいます
▶だから皆さん、このツイートを家族等と共有し、詐欺への抵抗力を高めてください

「法務省にそんな部署はねぇよ!」
「消費料金て何を消費した料金だよ」
「おいおい、いきなり差し押さえはありえねぇだろ」etc...

架空請求見破るアプリ開発

ハガキの文面を人工知能(AI)が読み取り、架空請求を瞬時に見破る
そんなスマートフォンのアプリをさいたま市の川目武彦弁護士(40)らが開発し、12月から無料で配信しているそうです
川目弁護士は「 弁護士などに相談するのに抵抗がある人も気軽に利用してほしい」とのこと

川目さんは弁護士法人モッキンバード法律事務所に所属、twitterのアカウントもあるので、気になる人は検索してみてネ

架空請求はハガキであれ電子メールであれ、文面には似たような言葉、同じ言葉を用いているので、そこからAIが架空請求であると判断します
データが蓄積される程、正確な判断を下せるようにもなっていきますから、今後も進化出来るでしょう

弁護士という職業ならではの着眼点だと思いますし、完成したのは快挙でしょう
アプリを作るとなるとプログラミングとか、そちらの知識が必要になりますので、川目弁護士は知人のプログラマーの男性にお願いした模様

・SCAM DETECTOR LINEで架空請求判定より
完全無料!
登録料、利用料一切不要です
登録不要!
個人情報を送信する必要はありません
正確な判断!
専門家の知識と経験を人工知能と組み合わせ、正確で素早い判断を提供します
自動判定不能の場合、弁護士による判定結果をお知らせいたします (およそ24時間以内)

完全無料で登録不要なのは勿論ですが、架空請求判定はラインで写真を送信するだけという手軽さが良いですね
「自動判定不能の場合、弁護士による判定結果をお知らせいたします」とありますから更に安心です

将来のためにも
アプリが開発されたのは本当に素晴らしい、行動することの大切さみたいなものも感じました
川目さんも勿論おわかりの上のことだと思うし、なんだか水を差すみたいで申し訳ないんだけど、書かないわけにはいかないのでごめんなさい

上の資料にもありますように、架空請求ハガキによる被害者は男女とも60歳代が最多です
私は50代半ばで、この世代前後が携帯電話に馴染みがあり、メールも使っていたことからLINE大丈夫だろうし、一般的なネット世代の年長者の部類かなと思います
パソコンが普及していない時代からネットやってた人は一部にとどまりますし

LINEに限った数字だと、ユーザー数は40代が一番多いです
若い人に多いイメージですが、その若い人の両親の年代になるのだと思います
単純に、子供は一人でも、親は二人だから

60歳代の方ももちろん、お友達やお孫さんとLINEしてる方は以前より増えたのだろうとは思います
ただ携帯電話自体が連絡手段や安否確認のための利用にとどまる人もまだまだ多いでしょう
LINEはしても画像を送るとなると難しく感じてしまうかもしれません

本当に身も蓋もない言い方で申し訳ないけど、どんなに優れたアプリでも、それを知らないと使わないわけです
ですので、上でも書きましたように家族同士で注意しあうことが大切です
私の世代だと、両親(父は亡くなっていますが)が高齢者で、注意する必要があります
「母はしっかりしてるから大丈夫」が大丈夫でないのが詐欺なのです

もっと言えば、架空請求見破るアプリを使う人ならまず騙されないでしょう
変だな、おかしいなと気付くからアプリを使ってみようと思えるわけですから
そんな人はネット検索なんかもするわ

例えば、いくら説明してもわかってくれないとか、何故か家族や友人の話を聞こうとしない人には有効かもと思ったりしますけどねwww
画像を目の前で送ってみせて、「ほらね」で納得しそうじゃないですかwww

データが蓄積すれば架空請求判定の完全自動化も可能になるかもしれません
というか完全にAIが人知を超える日がやがて来ますけどネ
ネット世代も順に歳は取っていくわけですし、きっと詐欺はこの先も無くならないでしょう
アプリを開発した心意気には感心しますし、将来的な期待も込めて当サイトのサイドバーorページ下の「外部リンク」の部分に、このアプリ用のURLを掲載してこの記事を締めよう