「10億円を生前贈与したい」とメールが来たらあなたは信じますか

この事件に「出会い系サイト」「サクラ」といったワードは出てこないものの、「サクラサイト商法」にかわりありません

本当によくある迷惑メール

高齢の資産家になりすまして「10億円を生前贈与したい」などといったメール(本当は迷惑メールです)を送り
返信してきた女性から手数料の名目でおよそ160万円を騙し取ったとして、広島県警は2日男女4人を逮捕しました

手口は珍しくも何ともないもので、ここでは高額な生前贈与ですが、他には「あなたを支援したい」
「あなたに是非遺産に関するお話を聞いて欲しいと〇〇〇さんから依頼を受け連絡しました」等
「あなたにお金を差し上げますよ」という内容のメールを送ります

そのメールに反応した人は迷惑メールだと知らない人だと判断され、詐欺師のカモにされるのです
メールの内容も似たようなものなら、その後も同じ
メールに貼られたURLにアクセスすると、自分専用のウェブページが表示されます

そこには今回の場合なら、80代のおじいさんのプロフィールやメッセージを閲覧することが出来ます
そうやって内容を確認していると、別の人物が現れ「手数料が必要」だと説明されます
どの詐欺サイトでも同じで、始めは1000円程度のお金を支払えば済むのですが、一度支払えば何度でも様々な名目でお金を要求され、金額も上がっていきます

1000円支払って、指示された通りに銀行の口座番号や名義人を送っても「入金出来ないから番号が違うのでは?」
そう言われれば「番号を打ち間違えたかも・・・自分が悪い、ミスした」と思って、もう一度送り直すことになります

もうこうなれば、詐欺師の思う壺、いくらでもお金を巻き上げることが出来てしまいます

何故騙されるのか

今回の事件は逮捕時の四人の様子等も併せてテレビのニュースで放映されたので、ご覧になった方も多いでしょう
「赤の他人から生前贈与で10億って有り得ん」「それって迷惑メールじゃん」と思った人は大丈夫、多分今後も騙されない

私もね、何故騙されるのか実はわからないんですヨ
いわゆる劇場型と呼ばれる「電話でお金は詐欺」なら、ターゲットはお年寄りだし、相手に考える暇を与えない様に詐欺師が話す内容は練られたものです

勿論、半信半疑でも詐欺サイトにアクセスしてしまえば、体験談等も掲載されていて信憑性を高める工夫はされていたりします
雑誌の巻末にある通販の広告のように「私はこれで幸せになりました」的なヤツですね

雑誌の広告なら、なんだかあからさま過ぎて笑ってしまう人でも、自分宛に届いたメールになると印象が違うのかもしれません
雑誌の広告は1対1の感じがあまりしないでしょ
テレビのCMならもっとしないはずです

そこら辺に人間の心理の微妙な違いがあるのではないかと推測程度しか出来ませんが・・・
人の心理を上手く利用するのが詐欺師ですから
見も知らない誰かから、お金をあげると言われて信じてしまう人が一定数いるのは確かなんです
だから悪徳業者の収入に出来てしまいます

警官の元に迷惑メール着弾

逮捕されたのは4人ですが、広島県警ではまだ仲間がいるのではないかと継続して捜査する模様
年配のおじさんと若い子達といった感じですが、うち二人は父親と息子なんですって、ちょっとビックリ

今回の事件は上記の詐欺手口と被害総額は1億円越えであること、被害者は400人はいることがわかってはいますが
以前から存在する悪徳業者の1グループという感じではなく、なんとなく手口を真似ただけなのに
実際は彼らもビックリする位騙される人が多かったんじゃないかななんて勝手に想像しています

迷惑メールの送付先アドレス、ウェブサイト、入金用の口座を用意すれば出来ちゃいますからね
ただ、その数多あるメアドの中に広島県警サイバー科所属の警察官の私用メアドが含まれていたんですね
警官の元に迷惑メールが着弾してしまったことが運の尽き

いつも書いています
知り合いでも何でもない、覚えのないメアドからのメールは迷惑メール
そして、そんな知りもしない相手から「生前贈与したい」「支援したい」といった話があるわけない
「チョコレートあげるよ」と言われても、知らない人には付いて行ってはいけないのです

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