誹謗・中傷や風評被害インターネット上でされたらどう対処する?
楽しさ、知識、様々なことを私達にもたらしてくれ、どんどん便利になっていくインターネットですが
一方では誹謗・中傷や風評被害等の闇も抱えていて、それは今後も消え去ることが無いように思えます
今回はインターネット上で誹謗・中傷された時に、どう対処していけば良いのかを考えます
緊急性の有無
ネットで誹謗・中傷を受けた場合、すぐに対処したほうが良いケース、あまり急ぐ必要は無いケースがあります
早急に対処したいケース
・企業や店舗など法人に対し誹謗・中傷や風評被害があった場合
多少のことではビクともしない大企業なら対処する必要がない、リスク対策を取っているなら専門部署に任せるられるかもしれませんが
企業や店舗の利益が損なわれる可能性があると真っ先に考えられます
また、良くない噂というのはネットでなくても一人歩きしやすいものです
今後の人材募集に影響が出るかもしれません
良い人材がとれないことも間接的に利益を損なうと言えます
・犯罪者呼ばわりされている
例えば「あいつ窃盗で捕まったことがある」「刑務所入ってたらしいよ」といったことを「名指し」で言われた場合等です
事実であってもなくても「誹謗」にかわりありませんし、それが事実でも犯罪者呼ばわりすることは出来ません
進学や就職に障害となる可能性がある事例です
・氏名や住所等の「個人情報」も一緒に掲載されている
どんな内容であれ、プライバシー保護の観点から対処 したほうが良いでしょう
緊急性が無いケース
・企業名や店舗名、個人の情報等、誹謗・中傷の被害者が特定出来ない内容である時
「自分にはわかるから不快だ」と感じる人も中にはいるかもしれません
例えば仲間内なら知っているニックネームが書いてあるとか、特定出来そうなヒントが出ている
といった場合なら個人の特定になる可能性はあります
・拡散する気配を見せない場合
ネットは一気に拡散して手が付けられなくなるとよく言われますが
例えtwitterのフォロワーが多い人が対個人への誹謗・中傷を呟いたとしても、他人はあまり興味が無く広がりにくいと思います
対個人への誹謗・中傷が拡散していく場合はそれなりに理由があるのです
以前あった大津のいじめ事件のように、多くの人が関心を持つことなら拡散するでしょう
その意味からだと、企業や店舗、商品等が対象だと拡散しやすくなると言えますね
誹謗・中傷の対処法
真っ先に証拠の保全です
誹謗・中傷が書かれているページをプリントアウトしたり、スクショにして残しましょう
削除の為の直接的な方法は、書いている本人にメールやコメントでコンタクトして、止めるよう伝えること
ですが誹謗・中傷してる人って本人への連絡手段が無いこともよくあります
先日掲載した著作権に関する記事
・あなたが著作権を侵害しないための注意点と侵害された場合の対処法
にも掲載しましたが、インターネットのウェブページに書かれているわけですから
ウェブページもしくはウェブサイトを管理している会社や、サーバーを貸している会社に削除依頼を出します
削除依頼は各会社で方法が違うことがありますので、まず規約やプライバシーポリシー等を見て下さい
よくある質問などに掲載されていることもあります
会社が指定する方法で削除依頼を出します
以前はメールを出せば良かったのですが、「プロバイダ法」が制定されてからはプロバイダ法に則った形式で出す場合が殆どです
これは迷わず警察へ
始めは誹謗・中傷でも、次第に「殺してやる」「火を着けてやる」といった、明らかに脅迫と取れる内容にエスカレートしていくことがあります
ネット上の発言でも「あれは冗談のつもりだった」等の言い訳は通用せず、逮捕されますし
愚かな発言をしたばかりに、未だに逮捕者は出続けている状況です
脅迫されたら迷わず警察へ被害届けを出しましょう
また、誹謗・中傷は、しつこく何度も繰り返され長期化する場合もあります
誹謗・中傷も犯罪にかわりありませんので、警察へ相談することも可能です
誹謗・中傷が始まったらすぐに警察に相談し、削除要請と共に警察に相談していると伝えるのもひとつの方法だと思います
警察庁HPより
・都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧
最寄りにサイバー犯罪相談窓口が無い場合でも、生活相談課等で対応して貰えます
削除代行に関する注意
先日、ある男性がネット上での誹謗・中傷記事の削除を代行業者に依頼し、業者からは50万円の代金請求がありました
しかしその男性は全記事削除されたわけではないので、契約自体を無効にしたいとして訴えを起こしたのです
どういった契約内容の元に削除代行を依頼したのか、何故代行業者を選んだかなど詳しいことはわかりませんが
「インターネット上の書き込みの削除要請を報酬を得て代行する業者の行為は、弁護士法違反(非弁行為)にあたる」といった判決が出ています
弁護士以外の代行
誹謗・中傷記事を削除代行出来るのは弁護士でなければならないということになります
では本人が何らかの事情で記事削除を求めるのが困難である場合、弁護士に頼むしか道はないのでしょうか
誹謗・中傷記事の削除代行の相場は、多くの弁護士事務所で5~50万円と出していますが、かなり大金です
実は法務局で代行を依頼出来るのです
ネットにあまり詳しくない場合、本当にどうして良いかわからないし、不安ばかり先に立つでしょう
そんな方は、最寄りの法務局に相談してみてはいかがでしょうか
法務局ではまず、プロバイダへの発信者情報の開示請求や人権侵害情報の削除依頼の方法についてアドバイスをくれます
削除要請自体は決して難しいことではないことです
「難しそう」だと感じているだけで、アドバイスを聞くうちに、自分でも出来そうだとわかるかもしれません
また、被害者自らが削除を求めることが困難な場合や、削除に応じてもらえない時は法務局に依頼が可能です
法務局HPより
・インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう
・各法務局・地方法務局のホームページ
個人攻撃は放置する
インターネットは様々な人が利用しています
中にはくだらない個人攻撃をして、自分のストレスを解消するような輩も多く
誹謗・中傷発言をする人の大半は日頃の鬱憤ばらしをしたいのが根底にあるのです
そういうタイプは様々な言葉で攻撃し、相手がどんな反応をするのかを楽しんでもいます
何か返せば大喜びで更なる攻撃を続け繰り返します
個人攻撃には一切反応しないことが最大の対処法です
対処が必要だと思われる事案に関しては上で述べたように、落ち着いて冷静に行動していきましょう
ネットで他人を過剰に煽るように叩いている人を見ると「時間あるんだ、ヒマでいいなぁ」と思います
延々と、例えば私に攻撃しているとしたら、それだけの時間を全て私の為だけに使っているわけですよ
それって普段中々出来ることではないでしょ
私の大好きな猫達だけのために膨大な時間を割くのは難しい様に
誹謗・中傷だとしても、特定の相手にだけ時間を割いていることを当の本人は気付いていないのでしょう
必死で汚い言葉を並べてみたり、挑発したり、様々なことをして、相手の反応を待っている
もしくは周囲の同調を待っている
淋しいことです
また、他人への悪口は自己紹介だと言います
実は自分自身の持つコンプレックスであることにも、きっと気付いていないでしょうね
気の毒なことです
ネットは程ほどに
インターネットは現代の生活において必要不可欠なものとまでは言いませんが、便利なのは確かです
検索すれば様々な情報が表示されるし、買い物も出来る、知らない人との交流も出来てしまう
情報は受け取るだけでなく自らも自由に発信することが出来るのも楽しさに繋がります
個人的にはインスタグラムには衝撃を受けました
これまでも他の媒体で画像をアップしている人は沢山いましたが、インスタグラムは画像が主でしょ
日本人はネットだと匿名でいたいけど、情報(特に画像)を発信するのは好きなんですね
こんなに発信したいんだって思った次第
ネットで知らぬ誰かと繋がることが出来ることは、今回のテーマの様に誹謗・中傷にもぶつかります
その時どうするかも大切ですが、そんなことに振り回されないことも大切です
当然、誹謗・中傷する側にならずに節度をもってインターネットを楽しみましょう