詐欺被害を回復しませんか?「お金を取り戻せる」は二次被害への入口
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特殊詐欺や投資詐欺、副業詐欺などの被害に遭った人をさらに狙う「被害回復詐欺(二次被害)」が深刻な問題となっています。
「騙されたお金を取り戻したい」という被害者の切実な心理につけ込む、卑劣な詐欺。
一度被害に遭った人が再びターゲットにされるため、ダメージがさらに大きくなってしまいます。
被害回復詐欺の主な手口や特徴、そして絶対に騙されないための対策をまとめました。
被害回復詐欺とは
被害回復詐欺とは?
過去の詐欺被害者に「お金を取り戻せる」「返金手続きができる」と接触し、さらに金銭を騙し取る手口。
投資詐欺・ロマンス詐欺・フィッシング詐欺・副業詐欺など、あらゆる詐欺被害者が標的になります。
「返金詐欺」「二次被害」「リカバリースキャム」など呼び名は複数あり、統一されていません。例として、
行政や法執行機関での呼称
- ・二次被害
- ・還付金詐欺
報道や一般的な呼称
- ・返金詐欺
- ・取り戻し詐欺
- ・救済詐欺
英語由来や業界用語
- ・リカバリー詐欺
- ・リカバリースキャム
呼び方がバラバラなため、被害に遭っても自分がどう検索すればいいかわからず、情報にたどり着くまでに時間がかかるケースが多く、詐欺師側にとっては都合のいい状況です。
被害回復詐欺は、誰にも話していない被害をなぜ見知らぬ相手が知っているのかという、根本的な矛盾があります。
答えは単純で、詐欺グループ間で被害者リストが共有・売買されているから。
向こうから接触してきた時点で、そのリストを見て動いている可能性が高いのです。
一度騙された人は「資金があり、隙もある」として何度も狙われやすくなります。
例えば投資詐欺の被害者には、被害回復だけでなく、「今回は本物」と別の投資話として再接触してくるパターンもあります。
被害回復詐欺のアプローチ方法
犯行グループは、主に以下の3つの顔使って近づいてきます。
弁護士や法律事務所を名乗る
「〇〇詐欺の被害金を回収します」とネット広告を出したり、SNSで直接メッセージを送ってきたりします。
実在する高名な弁護士の名前を勝手に騙るケースも多く、応じてしまうと「着手金」や「調査費用」として数十万〜数百万円を請求し、お金を振り込ませた途端に連絡が取れなくなります。
詐欺師が弁護士を名乗るのは、あなたを助けたいからではありません。
法律のプロという看板を使えば、あなたを一番簡単に信用させられ、なおかつ着手金という名目で堂々と最初にお金を要求できるから。
本物の弁護士に仕事を依頼する場合、結果に関わらず最初に着手金を支払うのが一般的なルールです。
詐欺師にとって、これほど都合の良い口実はありませんからね。お金を取り戻すための正当な費用として、先にお金を要求するという流れが、被害者の目から見てもごく自然に映ってしまうのです。
公的機関や有名企業を名乗る
警察官、金融庁の職員、消費者センター、あるいは被害を出したとされる会社の救済窓口などを名乗って連絡してきます。
「犯人を逮捕して口座を凍結した」という大嘘の下、「返金手続きのために手数料が必要」「あなたの個人情報が漏洩しているので、セキュリティ登録料が必要」などと言い、電子マネーや振込を要求します。
詐欺師が公的機関を名乗るのは、あなたに事件が解決したという偽の安心感と、国の手続きだから従わなければいけないという義務感を同時に植え付けるため。
日本の警察や金融庁が個人の返金手続きのために、「お金を振り込んでください」「コンビニで電子マネーを買ってください」などと言うことは絶対にありません。
公的な名前を出されたら相手の所属と名前を控え、こちらから公式の番号にかけ直すのが鉄則です。
同じ被害に遭った仲間を装う
SNSやネットの掲示板で「私も同じ詐欺に遭いましたが、この先生に頼んだら全額戻ってきました!」と、親身な被害者を装って近づいてきます。
応じてしまうと、偽の弁護士や、怪しい回収業者を紹介して紹介料や着手金を騙し取るのが目的。
詐欺師が被害者の仲間を装うのは、あなたの誰にも言えない孤独と共感してほしい心理を利用するためです。
詐欺被害者同士だと、同じ痛みを持つものとして、あなたも気を許すかもしれません。
ネットやSNSの向こうにいる見ず知らずの人が、あなたにわざわざ救いの手を差し伸べる理由は一つもありません。
SNSで近づいてくる親切な被害者は、詐欺師の仲間だと断定してください。
被害回復詐欺の怪しいサイン
以下のような特徴があれば、100%詐欺だと疑ってください。
- 目次
- ・向こうから連絡が来る
- ・支払いが電子マネー
- ・確実や絶対と断言
- ・連絡手段がSNSアプリだけ
- ・暗号資産や別名義の口座へ振り込みを要求
- ・最新の技術で犯人のIPアドレスを特定と主張
- ・今すぐ手続きをと煽る
- ・過去に遭った詐欺の内容を知っている
- ・スポンサー広告にも罠がある
向こうから連絡が来る
警察や金融庁、消費者センターが、個人の被害に対して「お金を取り戻せる」と個別に電話やDMをしてくることは絶対にありません。
親切なアプローチは100%偽物でOK!日本の公的機関や本物の弁護士が、依頼もされていないのに「あなた、詐欺に遭いましたよね?お金を取り戻せますよ」と自発的に営業活動してくることは、法律上も実務上も100%あり得ません。
向こうからあなたの被害を知っている風に近づいてきた時点で、「私は裏で出回っているカモリストを見て連絡してきました」と自白しているようなものです。
支払いが電子マネー
正規の弁護士や公的機関が、コンビニで買える電子マネーで費用を請求することはあり得ません。
国家機関への手数料や、正規の法律事務所への着手金・報酬は、必ず「口座振込」などの足跡(証拠)が残る方法で行われます。
コンビニでAppleやGoogleのギフトカードを買わせたり、電子マネーのコードを写真で送らせようとしたりするのは、100%詐欺師が足のつかない方法で即座に資金をマネーロンダリングして逃げるため。
支払い方法に電子マネーが出てきたら、その時点で即遮断してください。
確実や絶対と断言
詐欺の返金は法的な手続きが必要で、相手が海外にいる場合などは回収が極めて困難です。プロの弁護士でも絶対に戻るとは言えません。
本物の弁護士や専門家は、詐欺返金の難しさを誰よりも知っています。
犯人がすでに海外に逃亡していたり、口座を空にしていたりすれば、法的手続きを踏んでも1円も回収できないケースが珍しくないからです。
そのため、プロほど「全額確実に」「100%取り戻せる」といった誇大広告や断言は絶対にしません。
甘い言葉であなたの焦りを煽り、確実性を保証してくる相手は、救世主ではなく着手金を狙う詐欺師なのです。
連絡手段がSNSアプリだけ
弁護士や調査会社を名乗っているにもかかわらず、固定電話ではなく「まずはLINE公式アカウントに登録してください」「やり取りはTelegram(テレグラム)で行います」と指定してくるケースです。
正規の法律事務所が、本人確認や重要事項のやり取りを匿名性の高いSNSアプリだけで完結させることはありません。
事務所の住所や固定電話番号を求めたときに、はぐらかされたら100%詐欺です。
彼らが頑なに固定電話や対面での面談を拒み、LINEなどの特定アプリだけで話を進めようとするのは理由があるから。
あなたを狭い画面の中に閉じ込め、周囲の助言から孤立させて冷静な判断力を奪うための場所、詐欺師の支配下に置くためです。
暗号資産や別名義の口座へ振り込みを要求
着手金や手数料の振込先として、個人名義の口座、しかも外国人名義や事務所名とは全く関係のない名前などを指定してきたり、「手続きを迅速にするため」と暗号資産での送金を要求してきたりします。
正当な弁護士費用であれば、原則として「〇〇法律事務所」などの法人・代表者名義の口座になります。
個人名義や暗号資産を指定された時点で、足がつかないようにして逃げる準備をしているというわけ。
そんな怪しい口座に振り込むなんて、自分なら絶対しないと思うかもしれません。
しかし、詐欺師はあなたの「一刻も早くお金を取り戻したい」という焦りを利用し、「これは特殊な手続きだから」などといくらでも言いくるめ、あなたを思考停止に追い込みます。
あなたの理性が少しでも違和感を覚えたら、その直感を信じてすぐに手を止めてください。
最新の技術で犯人のIPアドレスや資金を特定したと主張
最近のトレンドとして、「最新のAIツールや高度なハッキング技術を使って、海外の詐欺グループのサーバーを特定した」「ブロックチェーン上の資金の流出先をAIで突き止めた」などと、ITの専門用語を並べてプロっぽさを演出。
最新技術をアピールして被害者を信用させようとしますが、技術的に特定できたとしても、相手の国との司法協力などがなければ、個人が強制的に資金を差し押さえて回収することは不可能です。
詐欺師が「AI」や「IPアドレス」「ブロックチェーン」といった言葉を使うのは、あなたに「よく分からないけれど、最先端の技術ならお金を取り戻せるのかも」と思わせて、考える力を奪うため。つまり、あなたの知識の少なさを利用しているというわけです。
相手が小難しい言葉を使ってきたら、それ自体が怪しいサインだと思ってくださいね。
今すぐ手続きをと煽る
「今すぐ着手金を払えば、相手の口座が凍結される前に滑り込みで回収できる」「今日中に申し込まないと枠がなくなる」などと、考える時間を与えずに決断を急がせてきます。
被害者を焦らせて、冷静な判断力を奪うのは詐欺の常套手段です。
周囲に相談する時間を奪うため
もしあなたに一晩考える時間があったらどうなるでしょうか。
「家族に話してみよう」「一度警察や本物の弁護士会に聞いてみよう」と、冷静な第三者の目が介入してしまいます。
詐欺師が最も恐れているのは、あなたが我に返ること。
それを防ぐために、あえてタイムリミットを設けてあなたを孤立させようとします。
人間の防衛本能をバグらせるため
人間は今すぐ決めないと破滅したり損をしたりするといった極限のタイムプレッシャーを与えられると、脳の論理的な思考を司る部分が完全にフリーズしてしまいます。
「振込先が個人名義でおかしい」「連絡がLINEだけで怪しい」といった明らかな違和感すら、焦りのノイズにかき消されて見えなくなってしまうのです。
過去に遭った詐欺の具体的な内容を知っている
こちらから詳しい被害状況を説明していないにもかかわらず、「〇〇という副業サイトで〇〇万円騙し取られましたよね?」と、向こうから具体的なサイト名や金額を出して連絡してくるケースです。
警察や公的機関が個別の被害に対して連絡してくることはありません。
これは、最初に騙した詐欺グループや名簿を買った同業者が、次の獲物としてアプローチしてきている証拠。
あなたの被害内容を最初から知っているのは、警察でも弁護士でもない。
最初にあなたを騙した詐欺師とカモリストを持っている他の詐欺師だけ。
スポンサー広告にも罠がある
ネットで「詐欺 返金 相談」と調べると、検索結果の最上部に「スポンサー」とついた広告が並びます。
実は、被害回復詐欺グループや、高額な着手金だけを取って何もしない悪質な事務所が、ここに巨額の広告費を投じて待ち構えているケースが多発しています。
検索で探す場合も、URLのドメインが「.go.jp(政府機関)」や「.or.jp(公的団体)」であることを必ず確認してください。
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ネット広告を悪用する詐欺業者の手口|広告は信頼の証ではない
迷ったらここ!国や自治体が認める公式窓口
詐欺の返金やトラブルで相談する際は、ネットの広告やSNSで見つけた窓口ではなく、絶対に以下の公的な機関へあなた自身で連絡してください。
どこに相談すればいいの?
消費者ホットライン「188(いやや)」
「これって詐欺かも?」「怪しい業者から連絡が来た」と不安になったときの最初の窓口。
局番なしの「188」に電話をかけると、最寄りの消費生活センターなどにつないでくれます。地方自治体が運営する安心の窓口です。
警察の相談専用電話「#9110」
事件や事故とまでは言えないけれど、詐欺の被害に遭って困っている、実害が出ているときの相談窓口。
110番は緊急通報ですが、「#9110」は警察の相談専門ダイヤルです。内容に応じて専門の部署を紹介してくれたり、アドバイスをくれたりします。
日本弁護士連合会(日弁連)や各地の弁護士会
法的な手続きで本当に返金請求をしたい、プロの弁護士に相談したいとき。
インターネットの検索広告には怪しい非弁業者や悪徳弁護士が紛れていることがあります。
必ず日弁連の公式HPや、自分が住んでいる都道府県の「〇〇弁護士会」の公式窓口から法律相談を申し込んでください。
法テラス(日本司法支援センター)
弁護士に相談したいけれど、費用面が心配なとき。国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所です。
経済的に余裕がない場合、無料の法律相談や弁護士費用の立て替え制度(審査あり)を利用できます。
実在する被害回復制度について
被害回復に関する制度は実在します。
振り込め詐欺救済法
振込を利用した詐欺被害を対象に、犯罪利用口座に残っている資金を被害者へ分配する制度。金融庁・預金保険機構・振込先金融機関が連携して手続きします。
申請先は振込先の金融機関であり、手数料は一切発生しません。
ただし、犯人がすでに口座から資金を引き出した後では支払いを受けられない。手続きには最低でも90日以上かかるのが一般的です。
こちらから確認できます。
金融庁
・振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ
被害回復給付金支給制度
詐欺などの財産犯で有罪となった犯人から刑事裁判によって没収・追徴した財産を金銭化し、被害者へ給付する制度。窓口は各地の検察庁。
こちらも申請に費用はかかりません。対象となる事件・申請期間は事件ごとに異なり、検察庁のウェブサイトで公告されます。
申請書のダウンロードもできます。
検察庁
・被害回復給付金支給制度
2つの制度に共通する重要な点
どちらも、自ら連絡してくることはありません。
公的機関から「あなたが対象です」と個別に電話やDMが来ることはなく、申請は被害者自身が窓口へ出向いて行うものです。
手数料・着手金の類は一切発生しません。
これを逆手に取り、両制度を装って「手続き費用」を騙し取る手口が多発している点に注意が必要です。
あなたの大切なお金と心を守るために
詐欺被害に遭った直後は、激しいショックと一刻も早くお金を取り戻したいという焦りから、普段なら引っかからないような甘い言葉を信じてしまいがちです。
しかし、ここまで見てきた通り、一度騙し取られたお金を、向こうからのアプローチで簡単に、確実に回収できる魔法のような方法は絶対に存在しません。
もし今、怪しい連絡を受けて迷っているなら、あるいは「すでに二次被害の費用を払ってしまったかもしれない」と不安になっているなら、今すぐその相手との連絡を断ち切ってください。
そして、ネットの怪しい広告ではなく、国や自治体が認める「公式の相談窓口(188や#9110)」へ、あなた自身の足で一歩を踏み出して相談してください。
これ以上の被害を防ぐことこそが、詐欺師に対する最大の反撃であり、あなた自身のお金と心を守るための、最も確実な一歩になります。
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