見破れる?AIが仕掛ける最新フィッシング詐欺 脅威の裏側と対策
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あなたのスマホに届くメッセージ、ビデオ通話の相手、目にしているウェブサイト…それらは本当に「本物」だと思いますか?
最近のAIの進化は、フィッシング詐欺をこれまでとは全く違う次元の脅威に変えました。
ディープフェイクによるなりすまし、まるであなたのために作られたかのような巧妙なワナ、そして、感情を巧みに操るAIの言葉たち。 もし、これからの「新常識」を知らないままだと、もしかしたら、あなたはいつの間にかそのターゲットになってしまうかもしれません。
この新たな脅威から大切なあなた自身を守るために、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。
AIがフィッシング詐欺を巧妙化させる5つの主要な手口
最近のAIや機械学習の進化は、フィッシング詐欺の手口をびっくりするほど巧妙にしています。
もう、昔の「なんか怪しい日本語だな」なんていう見破り方は通用しません。AIがどのように詐欺を強力にしているのか、その実態を知って、しっかり対策を練っていきましょう。
以下の主要な5つの手口を理解することが、AI時代のフィッシング詐欺から身を守る第一歩です。
1. 完璧な日本語による偽装
AIは、もう膨大な日本語のデータを学習しているので、まるで人間が書いたかのように、自然で違和感のない文章を作り出します。
これまでの不自然な日本語では見抜けなくなりました。
2. あなたに合わせたパーソナライズされた内容
AIは、公開されている情報からターゲットの好みなんかを学習して、一人ひとりにぴったりの具体的なメッセージを作成します。
「〇〇様、先日の会議の件で…」と、まるで個人的なつながりがあるように思わせて、あなたを信用させようとしてきます。
3. 感情を操作する表現の巧みさ
緊急性、不安、好奇心、お得感…人間が思わず反応しちゃうような感情に訴えかける言葉を選ぶのも、AIはすごく得意。
これによって、私たちは冷静な判断を失って、つい焦って行動するリスクが高まっています。
4. ディープフェイクによるなりすまし
AIによるディープフェイク技術ってご存知ですか?
これを使うと、音声や映像で企業のCFO(最高財務責任者)や家族、さらには有名人にまでなりすまして、ビデオ会議や電話でお金を要求してくるなど、もう一段階上の詐欺を可能に。
5. 攻撃の自動化と多言語対応
AIは、ターゲット選びから偽サイトの作成、そして多言語での大量メール送信までを自動で効率よくこなせます。
詐欺師たちは少ない労力で、世界規模の大規模な詐欺活動を展開できてしまう。

AI技術(特に大規模言語モデル LLM)とは?
さて、ここでちょっと「大規模言語モデル(LLM)」って何だろう?っていうお話をしたいと思います。
ChatGPTが話題になり始めた頃から、この「LLM」っていう言葉を耳にするようになったけど「まだ完全に理解できてないな」って方もいるんじゃないでしょうか?
私も最初はそうでしたから、一緒に勉強していきましょうね。
AI技術(大規模言語モデル LLM)とは、ものすごい量のテキストデータを学習することで、人間みたいに自然な言葉を理解したり、作り出したりできる人工知能のこと。
簡単に言えば、膨大な量の文章を読み込んで、言葉のパターンや意味を学んで、それを使って人間らしい文章を作ったり、質問に答えたりする、とても賢いプログラムです。
私たちが普段使っているChatGPTのようなAIチャットボットのベースになっている技術なんですよ。
「私たちが普段使っているChatGPTのような」と書きましたが、実はこの記事の元になっている文章も、GoogleのGemini(ジェミニ)というAIが作ったものを私が手直ししているんです。
日本語も文法も、ほとんど手直しがいらないくらいの精度で出てくるから、本当に驚きますよ。
AI技術(大規模言語モデル LLM)の主な特徴
- 自然な文章の生成
人間が書いたと区別がつかないほど、自然でスムーズな文章を作成できる。 - 高度な文章理解
文章の状況をしっかり把握して、質問の意図を正確に理解し、ぴったりの答えを導き出す。 - 多様なタスクへの応用
文章の要約、翻訳、プログラミングコードの生成、アイデア出しなど、言葉に関するいろんな作業をこなせる。
この技術の進化によって、フィッシング詐欺などへの悪用も可能になった、という一面もあります。
でも、同時に私たちの生活を豊かにしてくれる可能性も秘めているのです。
AIがもたらすフィッシング詐欺の新たな脅威とさらなる注意喚起
以前は、フィッシングメールって、どこか日本語がおかしいとか、文法が変とか、一目見て「あやしいな」ってわかるものが多かったですよね。
今は大規模言語モデル(LLM)が登場して普及したことで、その状況はガラッと変わってしまいました。
なぜAIがフィッシング詐欺を巧妙化させるのか
- 完璧な日本語による偽装
AIは、膨大な日本語のデータを学習しているので、まるでネイティブスピーカーが書いたかのように、自然で違和感のない文章を作り出せます。
これにより、日本語の拙さで詐欺を見抜くのは難しくなっています。 - あなたに合わせた個別最適化された内容
AIは、公開されている個人情報やSNSの活動履歴などを分析して、ターゲット一人ひとりに合わせた「あなただけのメッセージ」を作成できます。
だから、「〇〇様、先日お話しした件ですが…」なんて、まるで個人的な関係があるかのような錯覚を与えられて、信用させられやすくなってしまうんです。 - 感情を揺さぶる表現の巧みさ
緊急性、不安、期待、お得感など、人間の感情に直接訴えかける言葉選びも、AIはすごく得意です。
これによって、私たちは冷静な判断をする間もなく、指示された行動を取ってしまうリスクが高まります。
私たちが今、改めて注意すべきこと

AIの進化によって、フィッシング詐欺は新たなステージに入りました。
これまでの「怪しい日本語」という判断基準はもはや通用しません。
だからこそ、私たちはさらに一歩踏み込んだ警戒心を持つ必要があります。
- 内容の「不自然さ」より「真偽」の確認を
たとえ文章が完璧でも、その内容が本当に正規の機関からのものなのか、常に疑う習慣をつけましょう。
特に、あなたを焦らせる内容や、個人情報を求めてくる内容には要注意。 - 送信元は二重三重に確認しましょう
メールアドレスのドメイン名はもちろんのこと、連絡先の電話番号、公式サイトのURLなど、ありとあらゆる情報を必ず公式な情報源(企業の公式サイトなど)で確認してくださいね。
メールやメッセージ内のリンクを安易にクリックせずに、ブラウザで直接検索してアクセスする習慣が本当に大切。 - 「声」や「映像」も疑ってみてください
ディープフェイク技術の進歩で、声や映像も簡単に偽造されてしまいます。
電話やビデオ通話で、お金や会社の機密情報に関する指示があった場合は、必ず別の方法(例えば、別の電話番号にかけるとか、以前から知っている連絡先を使うなど)で相手が本当に本人かどうか確認するようにしましょう。 - 常に最新の情報を手に入れましょう
フィッシング詐欺の手口は、AIの進化とともに日々変わっています。
警察庁やIPA(情報処理推進機構)、セキュリティベンダー(セキュリティ対策の製品やサービスを提供している企業のこと)などが発信する最新の詐欺情報に常にアンテナを張って、知識をアップデートし続けることが、自分自身を守るための鍵になります。
AIは、私たちに多くの利便性をもたらすと同時に、新たな脅威も生み出しています。
この二面性を理解し、テクノロジーの進化に合わせて私たち自身の「危険察知能力」も高めていくことが、デジタル社会で安全に過ごすために不可欠です。
2. ディープフェイク技術によるなりすましの高度化
ディープフェイクというのは、AI(深層学習)を使って、すでにある画像や動画、音声データを合成して、まるで本物みたいに見せる技術のことです。
これがフィッシング詐欺に悪用されると、これまでの詐欺では考えられなかったくらいのレベルでなりすましが可能になるんですよ。
ディープフェイク音声による「ビッシング」
手口
ターゲットとなる人物(企業のCEOやあなたの家族、友人など)の声をAIでそっくりに真似して、電話をかけてきてお金の送金や秘密の情報を聞き出そうとします。
SNSなんかに公開されているほんの数秒の音声データがあれば、高い精度で声を複製できちゃうから、電話を受けた側は、まさか相手が偽物だなんて思いもしませんよね。
事例
企業の財務担当者が、AIで声が複製されたCEOからの指示だと信じ込んで、ものすごく多額のお金を不正に送金してしまった、なんていう恐ろしい事例も報告されています。

【ボイスフィッシング(ビッシング)】の手口と被害を防ぐための対策ガイド
ディープフェイク動画による「ビデオ会議詐欺」
事例
2024年2月、香港で驚きの事件がありました。
ある多国籍企業の財務担当者が、ディープフェイク技術で偽装されたCFO(最高財務責任者)や他の同僚とのビデオ会議でまんまと騙されてしまい、なんと約2億香港ドル(当時のレートで約38億円、または2500万米ドル)もの大金を詐欺グループに送金してしまったという、とんでもない事件が報じられたんです。
手口
被害者はまずフィッシングメールを受け取り、その後、ビデオ会議に誘導されました。
このビデオ会議には、ディープフェイクによって作り出されたCFOや他の複数の同僚が参加していて、彼らが「秘密のプロジェクトだから緊急でお金を送ってほしい」と指示したとされています。
被害
財務担当者は、会議の参加者が本物だと信じ込み、指示された通りに大金を海外の複数の口座に送金してしまいました。
背景
詐欺グループは、CFOが以前に公開したYouTube動画などから音声や映像データを集めて、ディープフェイクを作り出したと見られています。
この事件は、AI技術、特にディープフェイクが悪用されると、いかに現実的で大規模な被害をもたらすかを示す、本当に衝撃的な事例として世界中で報じられました。
ビデオ会議やオンラインでのやり取りでも、「目の前の人が本当に本人なのか」を疑って、別の手段で確認するといった、より一層の注意が呼びかけられているんですよ。
この香港のディープフェイク詐欺事件は、これまでのフィッシング詐欺とは一線を画す、AI技術の悪用による新たな脅威を象徴する出来事として、世界中のセキュリティ専門家や企業に大きな警鐘を鳴らしました。
単なるメールの偽装ではなく、「声」や「映像」で本物そっくりになりすまされるなんて、これまでの私たちの常識がひっくり返されたような感覚でしたから。
なぜ、この事件が特に衝撃的なのか?
- 信憑性の高さ
音声や映像のディープフェイクは、テキストベースの詐欺よりもはるかに信憑性が高く、人間が直感的に「本物だ」と認識しやすい特徴があります。
特に、ビデオ会議という信頼性が高いと思われがちなコミュニケーション手段が悪用された点が本当に重要です。 - 被害額の規模
数十億円という被害額は、個人だけじゃなくて企業全体に甚大な影響を与えかねない金額です。
企業の危機管理や財務の進め方にも、新しい視点での対策が求められるようになりました。 - ターゲット層
財務担当者という、普通だったらセキュリティ意識が高いはずのプロフェッショナルが騙された点も、AIによる詐欺の恐ろしさを物語っています。
これは、私たち誰もが被害者になり得るという現実を突きつけていますよね。
この事件は、AIが悪用される危険性を私たちに強く認識させるきっかけとなりました。
私たち一人ひとりが、デジタル社会における新たな「リテラシー」として、AIによる偽装を見抜く知識と、常に疑ってかかる心を持つことが、これまで以上に重要になっているんです。
実は、この香港のディープフェイク詐欺事件、私もこのテーマでAI(Gemini)に質問した時に初めて知ったんです。
「え、本当に起きた事件なの?」と思わず聞き返しちゃいましたよ。
そしたら、その事件の顛末や、そこから得られる教訓を教えてくれたんです。
念のため、香港のディープフェイク詐欺事件をネットで検索して、実際に起きた事件だと確認もしました。
有名人や著名人のなりすまし
AIで生成された有名人の動画や画像を使って、偽のキャンペーンや投資話を宣伝して、フィッシングサイトに誘導する手口が増えています。
「AIで生成された有名人の動画や画像を使って、偽のキャンペーンや投資話を宣伝」といった事件は、ニュースで何度も取り上げられていましたから、覚えている方も多いんじゃないでしょうか。
正直、この時は「こんなのに騙される人いるんだな」って、半ば呆れてしまったんですが、さっき書いたように「五感で得られる情報も偽装される時代」ですからね。
「声」や「映像」って、つい信じやすくなっちゃいますよね。
人は信じたいものを信じる、なんて言われますが、投資話って、要は「お金が儲かりますよ」っていう話でしょ?。
私のこれまでの経験上、「一番騙される」のはやっぱりお金の話なんです。
まず、「お金が儲かりますよ」っていうおいしい話がチラつくと、たとえ半信半疑でも、有名人の動画や音声を見たり聞いたりすると「信用できる話」へと次第に変わっていくんじゃないかなと思います。
そもそも、おいしい話を全く信じない人にとって、この手の話は無意味ですよね?
ほんの少しでも「本当かな?」って気になった人が、だんだん引き込まれていくんでしょうね。
3. AIを活用した攻撃の自動化と効率化

AIや機械学習は、フィッシング詐欺の「量」と「質」の両方をグッと高めています。
- ターゲット選定の自動化
AIは、SNSや公開されている情報から個人や企業の情報を集めて、一番騙されやすいターゲットを自動で選び出すことができます。
これによって、もっと効率的に狙いを定めた攻撃ができるようになるんですね。 - 攻撃の自動生成
これまでのフィッシング攻撃は、メールを手作業で作ったり、サイトを一つ一つ作ったりする必要がありました。
今はAIを使って、たくさんの種類のフィッシングメールや偽のウェブサイトを短い時間で自動的に作り出せます。
そのため、詐欺師は少ない労力で、大規模な攻撃を展開できるようになったんですよ。 - 検出回避技術の進化
AIは、セキュリティシステムがフィッシングメールを見つけるときに使うパターン(キーワードや送信元の情報など)を学習して、その検出ロジックをかいくぐるようなメールやサイトを作り出すことができるんです。
4. ロマンス詐欺や投資詐欺への悪用
AIチャットボットがまるで人間のように振る舞い、被害者と親密な関係を築く「ロマンス詐欺」や、AIが作った偽のニュースサイトで架空の投資話を持ちかける詐欺が増えています。
AIが感情的なやり取りを自然に続けられるから、被害者は時間をかけて信用してしまい、結局お金を騙し取られてしまうケースが見られます。
ロマンス詐欺におけるAIの悪用

ロマンス詐欺は、オンラインで親密な関係を築いて、最終的にお金を騙し取る詐欺のこと。
AIは、この「関係を築く」プロセスを、驚くほど効率的で巧妙なものにしてしまいます。
AIが生成する魅力的な「ペルソナ」とプロフィール写真
AIは、ターゲットであるあなたの好みに合わせて、魅力的な架空の人物像(年齢、職業、趣味、性格など)を作り出します。
さらに、AIの画像生成技術(Generative Adversarial Networks: GANsなど)を使って、実際に存在しない人物の、すごくリアルで自然なプロフィール写真を作ります。
そういったことから、被害者は「この人は本当にいるんだ」と信じ込みやすくなっちゃうんですよ。
大規模言語モデル(LLM)による人間らしい会話
AIチャットボットは、被害者とのメッセージのやり取りを自動でしてくれて、まるで人間が話しているかのような、自然で感情のこもった会話を続けられます。
被害者のこれまでの会話内容や感情の動きを学習して、それに合わせて返事を調整するから、被害者は「この人は私のことを深く理解してくれているんだ」と感じて、あっという間に信頼関係を築いてしまうんです。
24時間体制で「相手」が存在
人間が対応できない時間帯でもAIが返信してくれることで、まるで常に相手がそばにいてくれるかのような錯覚を与え、被害者を孤独にさせないことで、どんどん依存させていきます。
多言語対応
AIはいろんな言語で自然な会話ができるから、国境を越えたロマンス詐欺が簡単にできるようになって、ターゲットになる人が増えてしまうんです。
「危機」や「緊急事態」の演出
関係が深まったところで、AIは金銭を要求するためのストーリー(病気、事業の失敗、逮捕、家族の緊急事態など)を作り出します。
これもまた、被害者の同情や愛情に訴えかけるような、すごく説得力のある物語として語られます。
過去のやり取りから、被害者が一番反応しやすい感情的なツボをAIが学習して、最も効果的なタイミングでお金を要求してくるんです。
なんだかゾッとしませんか?
こちらは過去記事ですが、国際ロマンス詐欺について書いています。
・SNSで起こった怖い話とベスト5
2019年の記事なんですが、当時は「へえー、そんなのあるんだ」っていう感想だったのを覚えています。
メッセージのやり取りだけで、お互い直接会うこともないのに、すごく濃密な時間を過ごしていると錯覚するような、記事にも書いたけど「洗脳」に近いと感じました。
あなたの誰にも聞いてもらえない日々の愚痴をひたすら聞いてくれて、必要な時だけアドバイスをくれる。
そして、あなたがかけてほしい言葉を効果的に操る。
どんな時もそばにいてくれるように感じる相手なら、信じてしまうのも無理はないのかな、って思ってしまいます。
その濃密な時間を過ごしているようなメッセージのやり取りをAIができるというのは、本当に脅威だと思いませんか?
投資詐欺におけるAIの悪用
投資詐欺は、魅力的な投資話を持ちかけて金銭を騙し取る詐欺です。
AIは、この「魅力的な話」の構築と「信頼性」の演出に悪用されます。
AIが生成する「信頼性の高い」偽情報
- 偽のニュース記事・専門家コメント
AIは、架空の投資案件に関するポジティブなニュース記事や、まるで専門家がおすすめしているかのようなコメント、成功者の体験談なんかを作り出します。
これらは、大手メディアの記事を真似した形で作られるから、被害者は本当のことだと信じ込みやすくなるんですね。 - 偽の投資サイト・アプリ
高度なウェブサイトを作る技術とAIを組み合わせると、一見すると正規の金融機関や投資会社と見分けがつかないくらい精巧な偽の投資プラットフォームを短時間で作ることができます。
これには、リアルタイムの株価や仮想通貨のチャート、あたかも利益が出ているように見せる表示なんかも含まれるから、被害者は本当に投資で儲かっていると錯覚しちゃうんです。
パーソナライズされた勧誘メッセージ
- AIは、被害者の金融リテラシー、投資経験、資産状況などの情報を分析して、一番心に響くような投資戦略や成功事例を提示します。
例えば、「あなたのような堅実な方には、この安定した案件が最適です」といった、あなたの状況に合わせた勧誘をしてくるんですよ。 - 市場の動きやトレンドをリアルタイムで分析して、最も魅力的なタイミングで投資を促すメッセージを自動生成することも可能です。
自動化された「カスタマーサポート」
- 詐欺グループは、AIチャットボットを「サポート担当者」として配置して、被害者からの質問にすぐに、しかも一貫性のある返事をさせます。
これによって、組織的でプロフェッショナルな印象を与え、被害者の疑いをなくさせようとするんです。 - お金を引き出そうとした時には、AIが自動で「システムエラー」「手数料が必要」といった架空の理由を作り出して、さらに追加のお金を要求してくることもあります。
ディープフェイクによる「著名人・専門家」のなりすまし
金融業界の著名人や、投資の専門家になりすましたディープフェイク動画や音声を作り出して、偽の投資セミナーやプロモーションに利用します。
そういったことから、被害者は「あの有名人が推薦しているんだから間違いない!」と信じ込みやすくなっちゃうんです。
対策の強化
AIが悪用されたロマンス詐欺や投資詐欺から身を守るには、以下の点に特に注意が必要です。
- 「うますぎる話」は絶対に疑いましょう
特に、高いリターンをうたう投資話や、短期間で親密になろうとしてきたり、お金を要求してきたりする話には、最大限の警戒が必要です。 - 感情に流されず冷静に判断を
AIは感情を巧みに操ってくるので、メッセージを受け取ったら一度冷静になって、信頼できる第三者に相談したり、自分で情報を徹底的に調べたりするステップを踏みましょう。 - 身元確認は徹底的に
オンラインで知り合った相手の身元は、公式な情報源や別の連絡手段で必ず確認しましょう。
プロフィール写真や動画、音声もAIが作ったものの可能性があることを意識してくださいね。 - 投資話は専門家に相談
よくわからない投資案件は、必ず金融庁に登録されている正規の金融機関や、信頼できる投資アドバイザーに相談してから判断しましょう。 - 情報共有と情報収集を
最新の詐欺手口や被害事例について、警察や消費者庁、国民生活センターなどの公的な機関が発信する情報をこまめにチェックして、家族や友人と共有することも大切です。
上のディープフェイクのところでも触れましたが、やっぱりお金の話になると、つい飛びついちゃう人が多いのは事実です。
悪徳業者が運営する出会い系サイトの「サクラ」も、最初はメッセージのやり取りだけで、お互い直接会うこともないのに、すごく濃密な時間を過ごしていると錯覚するような状態を作り出していました。
メッセージのやり取りには、悪徳業者が設定した高額な利用料金が発生しますから、やり取りをすればするほど悪徳業者が儲かる仕組みなんです。
それがだんだん「あなたを支援させてください」と、見知らぬ誰かから支援の申し出があり、その金額は数百万円から数億円といった幅がありました。
こんなありえない話を信じる人が多くて、愛をささやくサクラよりおいしい話を持ち掛けるサクラへとシフトチェンジしていったんです。
悪徳業者が運営する出会い系サイトでは、おいしい話を持ち掛けるメッセージが今もなお圧倒的に多い状態が十数年も続いているんですよ。
そこだけ見ても、おいしい話、お金の話に弱い人が多いってことなんですよね。
AI時代のフィッシング詐欺対策
AIによる新しい手口に対抗するためには、これまでの対策に加えて、もっと高度な警戒心と新しい知識が求められます。
- 多要素認証(MFA)を徹底しましょう
ディープフェイクや音声クローンによるなりすましが増えているから、パスワードだけじゃなくて、別の方法(スマートフォンアプリの認証コード、顔認証や指紋認証など)を組み合わせたMFAを、できる限り設定しましょう。 - ゼロトラストの原則を
「すべてを信頼せず、常に検証する」というゼロトラストの考え方を取り入れて、たとえ相手が知人や社内の人に見えても、お金や秘密の情報に関わるやり取りでは、必ず別の手段(別の電話番号にかける、直接会うなど)で本人確認をしてください。 - 異常行動検知の活用
AIや機械学習を活用したセキュリティシステムは、あなたの普段の行動パターンを学習して、いつもと違うログインの試みや怪しいメールの動きを自動で検知してくれるようになっています。 - ディープフェイクの見分け方を学びましょう
- ・不自然な目の動きはないか
AIが作った動画では、まばたきが少ないとか、目が不自然に固定されているとか、そんな特徴が見られることがあります。 - ・口元の不自然さ
音声と口の動きが合っていない、唇の動きがなんだかスムーズじゃない、といった不自然な点がないか注意してみてください。 - ・声の不自然
声の抑揚やトーンが単調だったり、感情表現が乏しかったり、わずかな違和感がないか確認しましょう。 - ・背景の不自然さ
背景がぼやけている、不自然にゆがんでいるといった点も注意が必要です。 - 情報源の確認は徹底的に
怪しいメールやSNSの投稿を見かけたら、そこに書いてある情報源を安易に信用しないで、必ず公式のウェブサイトや信頼できるニュースソースで事実を確認するようにしましょう。 - セキュリティ意識を常に高め続けましょう
AIは進化し続けるので、私たちも常に最新の脅威情報にアンテナを張って、セキュリティに関する知識をアップデートし続けることが、本当に大切なんです。
AIや機械学習の技術は、私たちの生活を豊かにする一方で、悪用されると深刻な脅威となり得ます。
これらの新しい手口を知り、適切な対策を講じることで、デジタル社会での安全を確保しましょう。
AI時代のフィッシング詐欺その巧妙な手口と自己防衛の重要性

今の時代、フィッシング詐欺は私たちのデジタルライフを脅かす、本当に深刻な問題です。
特にAIや機械学習の進化は、その手口をこれまでの想像をはるかに超えるレベルで巧妙化させています。
AIがフィッシング詐欺を「見破りにくく」する理由
以前は、不自然な日本語や文法ミスで「これ、怪しいぞ」って気づけたフィッシングメールも、もう過去の話です。
大規模言語モデル(LLM)のようなAI技術は、以下のような点で詐欺を巧妙化させています。
完璧な日本語と自然な言い回し
AIはまるで人間が書いたかのように自然な文章を生成するので、日本語の不自然さで詐欺を見抜くことが、もうすごく難しくなりました。
高度なパーソナライズ
SNSなどの公開情報からターゲットの情報を学習して、その人に合わせてカスタマイズされたメッセージを作成します。
「〇〇様、先日の件で…」といった具体的な言及は、メッセージを受け取った人の警戒心を解いてしまうんです。
感情を操作する文章
緊急性、不安、お得感といった、人間の感情に直接訴えかける表現を巧みに使い、冷静な判断力を奪って、すぐにでも行動するように促します。
ディープフェイクによるなりすまし
音声や映像をAIで合成するディープフェイク技術は、企業のCEOやあなたの家族、有名人になりすましてビデオ会議や電話で金銭を要求するなど、従来の詐欺では考えられなかったレベルの「なりすまし」を可能にしました。
香港で実際に発生した数十億円規模の詐欺事件は、その衝撃的な事例です。
攻撃の自動化と効率化
AIは、ターゲットの選定からフィッシングメールや偽サイトの自動生成まで、攻撃のプロセス全体を自動化・効率化し、より少ない労力で大規模な詐欺を展開することを可能にしています。
私たちが身を守るためにできること
AIによる詐欺の脅威がどんどん増す中で、私たち一人ひとりがセキュリティ意識をアップデートして、以下の対策を徹底することが不可欠です。
AI時代のフィッシング詐欺から身を守るための7つのチェックポイント
AIや機械学習の進化により、フィッシング詐欺はかつてないほど巧妙化しています。
見た目だけでは判断できない脅威から、大切な情報や資産を守るために、以下のチェックポイントを常に意識しましょう。
「少しでも怪しい」と感じたら、必ず立ち止まって確認することが、AI時代の最大の防御策です。
1. URLの最終確認を怠らない
AIが生成した偽サイトは本物そっくりです。
表示されたURLが、公式のものと一字一句同じか、不審な記号やドメインが含まれていないか、必ず手動で確認しましょう。
2. 完璧な日本語にも警戒する
AIの進化により、フィッシングメールやサイトは文法やスペルミスが激減しました。
不自然さがなくても、その内容が本当に正規のものか、別の方法で真偽を確認する習慣をつけましょう。
3. 鍵マーク(SSL証明書)の詳細を確認する
鍵マークがあっても完全に安全とは限りません。
クリックして、証明書の発行元が正規の組織名か、有効期限が切れていないかなどを確認することが重要です。
4. パーソナライズされた内容を疑う
AIは公開情報から個人を特定し、あたかも関係があるかのような具体的なメッセージで信頼を誘います。
個人情報を含む内容でも、別の手段で本人確認を徹底しましょう。
5. 緊急性・感情を煽る文言に騙されない
AIは、緊急性、不安、期待といった人間の感情に訴えかける表現を巧みに使います。
「今すぐ対応しないと…」といった内容は、冷静な判断を奪う詐欺の手口です。
6. 「声」や「映像」の相手も疑う
ディープフェイク技術により、声や映像も簡単に偽装されます。
ビデオ会議や電話で金銭や機密情報に関する指示があった場合は、必ず別の連絡手段で相手の本人確認を行いましょう。
7. 身に覚えのない誘導や要求に警戒する
不審なメールやSMSからのリンクは絶対にクリックせず、公式サイトから直接アクセスしましょう。
AIが生成した偽のニュース記事や投資話にも、安易に個人情報や金銭を提供しないよう細心の注意を払ってください。
AIは私たちの生活を豊かにする一方で、悪用されると深刻な脅威となります。
この二面性を理解し、テクノロジーの進化に合わせて私たち自身の「デジタルリテラシー」と「危険察知能力」を高めていくことが、安全なデジタル社会で過ごすために不可欠です。
もしもあなたが、まだChatGPTやgeminiを利用した経験がないなら、ぜひ一度体験し、AIのすごさを実感してみてください。
ChatGPTやgeminiは例えば、わずか3ヶ月で次のバージョンへ進化するといった、進化のスピードも体感できます。
筆者がgeminiを利用するようになったのは2025年に入ってからですが、このわずか半年での進化を正に体感し、驚かされてもいるのです。
「AIが作ったんでしょ?すぐわかるよ」というレベルでなくなっているのは確かで、実体験に勝るものはありません。
その実体験がディープフェイクによる詐欺被害を未然に防ぐということにつながるのではないでしょうか。
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知識があれば詐欺を恐れることも詐欺に遇うこともなくなります。

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