見破れる?AIが仕掛ける最新フィッシング詐欺 脅威の裏側と対策
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あなたのスマホに届くメッセージ、ビデオ通話の向こうの相手、ウェブサイトの見た目…それらは本当に「本物」でしょうか?
AIの進化は、フィッシング詐欺を次元の異なる脅威へと変貌させました。
ディープフェイクによるなりすまし、高度にパーソナライズされた罠、そして感情を巧みに操るAIの言葉。
これらの新常識を知らなければ、あなたはいつの間にかその餌食になるかもしれません。
この新たな脅威からあなた自身を守るため、ぜひ最後までお読みください。
AIがフィッシング詐欺を巧妙化させる5つの主要な手口
AIや機械学習の進化は、フィッシング詐欺の手口をかつてないほど巧妙にしています。
もはや従来の「怪しい日本語」では見破れません。AIがどのように詐欺を強力にしているかを知り、対策を練りましょう。
以下の主要な5つの手口を理解することが、AI時代のフィッシング詐欺から身を守る第一歩です。
1. 完璧な日本語による偽装
AIは膨大な日本語データを学習し、まるで人間が書いたかのような、自然で違和感のない文章を生成します。
これにより、従来の不自然な日本語では見抜けなくなりました。
2. パーソナライズされた内容
AIは公開情報からターゲットの好みを学習し、一人ひとりに合わせた具体的なメッセージを作成します。
「〇〇様、先日の会議の件で…」といった個人に響く内容で信用を誘います。
3. 感情を操作する表現の巧みさ
緊急性、不安、好奇心、お得感など、人間の感情に訴えかける言葉選びもAIは得意です。
これにより、受信者は冷静な判断を失い、焦りから行動してしまうリスクが高まります。
4. ディープフェイクによるなりすまし
AIによるディープフェイク技術は、音声や映像で企業のCFOや家族などになりすまし、ビデオ会議や電話で金銭要求するなど、新たな段階の詐欺を可能にしています。
5. 攻撃の自動化と多言語対応
AIは、ターゲット選定から偽サイト作成、多言語での大量メール送信までを自動化・効率化。
これにより、少ない労力で大規模かつグローバルな詐欺活動が展開されています。

AI技術(特に大規模言語モデル:LLM)とは?
さてここで、大規模言語モデル「LLM」とは何ぞや?という解説をしたいと思います。
ChatGPTが話題になり始めた頃から大規模言語モデル「LLM」というワードを耳にするようになったけど、完全に理解していないかな?という方は一緒に勉強しましょうね。
AI技術(大規模言語モデル:LLM)とは、大量のテキストデータを学習することで、人間のように自然な言葉を理解し、生成できる人工知能のこと。
簡潔に言えば、膨大な量の文章を読み込み、言葉のパターンや意味を学び、それを使って人間らしい文章を作ったり、質問に答えたりする賢いプログラムです。
私たちが普段使っているChatGPTのようなAIチャットボットの基盤技術となっています。
「私たちが普段使っているChatGPTのような」とありますが、この記事自体の下地はグーグルのgeminiで作成しています。
日本語や文法は手直しの必要がほぼないほどの精度で出ますよ。
AI技術(大規模言語モデル:LLM)の主な特徴
- 自然な文章の生成
人間が書いたと区別がつかないほど、自然で流暢な文章を作成できます。 - 高度な文章理解
文脈を把握し、質問の意図を正確に理解して適切な回答を導き出します。 - 多様なタスクへの応用
文章の要約、翻訳、プログラミングコードの生成、アイデア出しなど、さまざまな言語関連の作業をこなせます。
この技術の進化により、フィッシング詐欺のような悪用も可能になっていますが、同時に私たちの生活を豊かにする可能性も秘めています。
AIがもたらすフィッシング詐欺の新たな脅威とさらなる注意喚起
かつてフィッシングメールの多くは、どこか不自然な日本語や奇妙な文法で、一目で「怪しい」と判別できるものでした。
しかし、大規模言語モデル(LLM)の登場と普及により、その状況は一変しました。
なぜAIがフィッシング詐欺を巧妙化させるのか
- 内容の「不自然さ」より「真偽」の確認
文法が完璧でも、その内容が本当に正規の機関からのものかを疑う習慣をつけましょう。
焦らせる内容や、個人情報を求める内容には特に注意が必要です。 - 送信元を二重三重に確認
メールアドレスのドメイン名はもちろん、連絡先の電話番号、公式サイトのURLなど、あらゆる情報を必ず公式な情報源(企業の公式サイトなど)で確認してください。
メールやメッセージ内のリンクを安易にクリックせず、ブラウザで直接検索してアクセスする習慣が重要です。 - 「声」や「映像」も疑う
ディープフェイク技術の進歩により、声や映像も簡単に偽造されます。 電話やビデオ通話で金銭や機密情報に関する指示があった場合は、別の方法(別の電話番号にかける、以前から知っている連絡先を使うなど)で相手の本人確認を行うようにしましょう。 - 常に最新の情報を得る
フィッシング詐欺の手口はAIの進化とともに日々変化しています。
警察庁やIPA(情報処理推進機構)、セキュリティベンダー(セキュリティ対策に関する製品やサービスを開発・提供している企業)などが発信する最新の詐欺情報に常にアンテナを張り、知識をアップデートし続けることが、自己防衛の鍵となります。 - 信憑性の高さ
音声や映像のディープフェイクは、テキストベースの詐欺よりもはるかに信憑性が高く、人間が直感的に「本物だ」と認識しやすい特性があります。
特に、ビデオ会議という信頼性が高いと思われがちなコミュニケーション手段が悪用された点が重要です。 - 被害額の規模
数十億円という被害額は、個人だけでなく企業全体に甚大な影響を与えかねない金額です。
企業のリスク管理や財務プロセスにも、新たな視点での対策が求められるようになりました。 - ターゲット層
財務担当者という、通常であればセキュリティ意識が高いはずのプロフェッショナルが騙された点も、AIによる詐欺の恐ろしさを示しています。
これは、誰もが被害者になり得るという現実を突きつけます。 - ターゲット選定の自動化
AIは、SNSや公開情報から個人や企業の情報を収集し、最も騙されやすいターゲットを自動で選定できます。
これにより、より効率的な標的型攻撃が可能になります。 - 攻撃の自動生成
従来のフィッシング攻撃は、手作業でメールを作成したり、サイトを構築したりする必要がありましたが、AIを使えば、大量の異なるバージョンのフィッシングメールや偽のウェブサイトを短時間で自動生成できます。
これにより、攻撃者は少ない労力で大規模な攻撃を展開できます。 - 検出回避技術の進化
AIは、セキュリティシステムがフィッシングメールを検出する際に使用するパターン(キーワード、送信元情報など)を学習し、それらの検出ロジックを回避するようなメールやサイトを作成できます。 - 偽のニュース記事・専門家コメント
AIは、架空の投資案件に関するポジティブなニュース記事や、あたかも専門家が推奨しているかのようなコメント、成功者の体験談などを生成します。
これらは、大手メディアの記事を模倣した形式で作成されるため、被害者は真実だと信じ込みやすくなります。 - 偽の投資サイト・アプリ
高度なウェブサイト構築技術とAIを組み合わせることで、一見すると正規の金融機関や投資会社と見分けがつかないほど精巧な偽の投資プラットフォームを短期間で作成します。
これには、リアルタイムの株価や仮想通貨のチャート、見せかけの利益表示なども含まれ、被害者は実際に投資で儲かっていると錯覚します。 - AIは、被害者の金融リテラシー、投資経験、資産状況などの情報を分析し、最も響くような投資戦略や成功事例を提示します。
たとえば、「あなたのような堅実な方には、この安定した案件が最適です」といった、個別の状況に合わせた勧誘をします。 - 市場の動向やトレンドをリアルタイムで分析し、最も魅力的なタイミングで投資を促すメッセージを自動生成することも可能です。
- 詐欺グループは、AIチャットボットを「サポート担当者」として配置し、被害者からの質問に即座に、かつ一貫性のある回答をさせます。
これにより、組織的でプロフェッショナルな印象を与え、被害者の疑念を払拭します。 - 出金申請があった際には、AIが自動で「システムエラー」「手数料が必要」といった架空の理由を生成し、さらなる金銭を要求することもあります。
- 「うますぎる話」は絶対に疑う
特に高リターンを謳う投資話や、短期間での関係深化、金銭要求には最大限の警戒が必要です。 - 感情に流されない冷静な判断
AIは感情を巧みに操るため、メッセージを受け取ったら一度冷静になり、第三者に相談する、自分で情報を徹底的に調べるなどのステップを踏みましょう。 - 身元確認の徹底
オンラインで知り合った相手の身元は、公式な情報源や別の連絡手段で必ず確認しましょう。プロフィール写真や動画、音声もAI生成の可能性があることを意識してください。 - 投資話は専門家に相談
不明な投資案件は、必ず金融庁に登録されている正規の金融機関や、信頼できる投資アドバイザーに相談してから判断しましょう。 - 情報共有と情報収集
最新の詐欺手口や被害事例について、警察や消費者庁、国民生活センターなどの公的機関が発信する情報をこまめにチェックし、家族や友人と共有することも重要です。 - 多要素認証(MFA)の徹底
ディープフェイクや音声クローンによるなりすましが増えているため、パスワードだけでなく、別の方法(スマートフォンアプリの認証コード、生体認証など)を組み合わせたMFAを可能な限り設定しましょう。 - ゼロトラストの原則
「すべてを信頼せず、常に検証する」というゼロトラストの考え方を導入し、たとえ相手が知人や社内関係者に見えても、金銭や機密情報に関わるやり取りでは、必ず別の手段(別の電話番号にかける、直接会うなど)で本人確認しましょう。 - 異常行動検知の活用
AIや機械学習を活用したセキュリティシステムは、ユーザーの通常の行動パターンを学習し、異常なログイン試行や不審なメールの挙動を自動で検知できるようになってきています。 - ディープフェイクの見分け方を学ぶ
- 不自然な目の動き
AI生成された動画では、まばたきが少ない、目が不自然に固定されている、といった特徴が見られることがあります。 - 口元の不自然さ
音声と口の動きが同期していない、唇の動きが滑らかでないなど、不自然な点がないか注意しましょう。 - 声の不自然さ
声の抑揚やトーンが単調、感情表現が乏しいなど、わずかな違和感がないか確認しましょう。 - 背景の不自然さ
背景がぼやけている、不自然にゆがんでいるといった点も注意が必要です。
- 不自然な目の動き
- 情報源の確認の徹底
不審なメールやSNSの投稿を見かけたら、記載されている情報源を安易に信用せず、必ず公式のウェブサイトや信頼できるニュースソースで事実確認しましょう。 - セキュリティ意識の継続的な向上
AIは進化し続けるため、私たちも常に最新の脅威情報にアンテナを張り、セキュリティに関する知識をアップデートし続けることが不可欠です。
AIの進化によって、フィッシング詐欺は新たなステージに入りました。
これまでの「怪しい日本語」という判断基準はもはや通用しません。
だからこそ、私たちはさらに一歩踏み込んだ警戒心を持つ必要があります。
AIは、私たちに多くの利便性をもたらすと同時に、新たな脅威も生み出しています。
この二面性を理解し、テクノロジーの進化に合わせて私たち自身の「危険察知能力」も高めていくことが、デジタル社会で安全に過ごすために不可欠です。
2. ディープフェイク技術によるなりすましの高度化
ディープフェイクとは、AI(深層学習)を用いて、既存の画像や動画、音声データを合成し、あたかも本物であるかのように見せる技術です。
これがフィッシング詐欺に悪用されることで、従来の詐欺では考えられなかったレベルのなりすましが可能になっています。
ディープフェイク音声による「ビッシング」
手口
標的となる人物(企業のCEO、家族、友人など)の声をAIで模倣し、電話をかけて金銭の送金や機密情報の聞き出しを試みます。
SNSなどに公開されている数秒の音声データがあれば、高い精度で声を複製できてしまうため、電話を受けた側は、まさか相手が偽物だとは思いません。
事例
企業の財務担当者が、AIで声が複製されたCEOからの指示だと信じ込み、多額の資金を不正送金してしまった事例が報告されています。

【ボイスフィッシング(ビッシング)】の手口と被害を防ぐための対策ガイド
ディープフェイク動画による「ビデオ会議詐欺」
事例
2024年2月に、香港で多国籍企業の財務担当者が、ディープフェイク技術によって偽装されたCFO(最高財務責任者)や他の同僚とのビデオ会議で騙され、約2億香港ドル(当時のレートで約38億円、または2500万米ドル)を詐欺グループに送金してしまったという大規模な事件が報じられました。
手口
被害者はまずフィッシングメールを受け取り、その後、ビデオ会議に誘導されました。
このビデオ会議には、ディープフェイクによって生成されたCFOや他の複数の同僚が参加しており、彼らが「秘密のプロジェクト」のために緊急の送金を指示したとされています。
被害
財務担当者は、会議の参加者が本物であると信じ込み、指示された通りに多額の資金を海外の複数の口座に送金してしまいました。
背景
詐欺グループは、CFOが以前に公開したYouTube動画などから音声や映像データを収集し、ディープフェイクを生成したと見られています。
この事件は、AI技術、特にディープフェイクが悪用されると、いかに現実的で大規模な被害をもたらすかを示す、非常に衝撃的な事例として世界中で報じられました。
そのため、ビデオ会議やオンラインでのやり取りにおいても、「目の前の人物が本当に本人か」を疑い、別の手段で確認するといった、より一層の注意が呼びかけられています。
この香港のディープフェイク詐欺事件は、従来のフィッシング詐欺とは一線を画す、AI技術の悪用による新たな脅威を象徴する出来事として、世界中のセキュリティ専門家や企業に大きな警鐘を鳴らしました。
単なるメールの偽装ではなく、「声」や「映像」で本物そっくりになりすまされるというのは、これまでの私たちの常識を覆すものでしたから。
なぜ、この事件が特に衝撃的なのか?
この事件は、AIが悪用される危険性を私たちに強く認識させるきっかけとなりました。
私たち一人ひとりが、デジタル社会における新たな「リテラシー」として、AIによる偽装を見抜く知識と、常に疑ってかかる心を持つことが、これまで以上に重要になっています。
この香港のディープフェイク詐欺事件は筆者自身実は知らなくて、この記事のテーマであるAIによるフィッシングに関してgeminiに質問した際の返答に含まれていたのです。
思わず「本当に起きた事件なの?」と問い返しましたよ。
そして、ことの顛末や、そこから得られる教訓を示されたのです。
念のために香港のディープフェイク詐欺事件をネット検索して、実際に起きた事件であると確認もしました。
有名人や著名人のなりすまし
AIで生成された有名人の動画や画像を使って、偽のキャンペーンや投資話を宣伝し、フィッシングサイトへ誘導する手口が増えています。
「AIで生成された有名人の動画や画像を使って、偽のキャンペーンや投資話を宣伝」といった事件はニュースで何度も取り上げられていましたので、覚えている方も多いかと思われます。
この時は正直な感想として「こんなのに騙される人いるんだ」と半ば呆れたのですが、上に書いたように「五感で得られる情報も偽装される時代」であり、「声」や「映像」というのは信じやすくなる。
人は信じたいものを信じると言われますが、投資話は要は「お金が儲かりますよ」という、筆者のこれまでの経験上「最も騙される」のはやはりお金の話。
まず「お金が儲かりますよ」というオイシイ話がチラつく中、半信半疑であっても有名人の動画や音声で「信用できる話」へと次第に変化していくのではと考えます。
そもそも、オイシイ話を全く信じない人にとって、この手の話は無意味ですよね?
ほんのわずかでも「本当かな?」と気になった人が、次第に引き込まれていくのでしょう。
3. AIを活用した攻撃の自動化と効率化

AIや機械学習は、フィッシング詐欺の「量」と「質」の両面を向上させています。
4. ロマンス詐欺や投資詐欺への悪用
AIチャットボットが人間のように振る舞い、被害者との関係を構築するロマンス詐欺や、AI生成の偽ニュースサイトで架空の投資話を持ちかける詐欺が増加しています。
AIが感情的なやり取りを自然に継続できるため、被害者は時間をかけて信用してしまい、金銭的な被害に遭うケースが見られます。
ロマンス詐欺におけるAIの悪用

ロマンス詐欺は、オンライン上で親密な関係を築き、最終的に金銭を騙し取る詐欺です。
AIは、この「関係構築」のプロセスを劇的に効率化・巧妙化させます。
AIが生成する魅力的な「ペルソナ」とプロフィール写真
AIは、ターゲットの好みに合わせて、魅力的な架空の人物像(年齢、職業、趣味、性格など)を生成します。
さらに、AI画像生成技術(Generative Adversarial Networks: GANsなど)を用いて、実在しない人物の高品質で自然なプロフィール写真を作成します。
これにより、被害者は「この人は本当に存在する」と信じ込みやすくなります。
大規模言語モデル(LLM)による人間らしい会話
AIチャットボットは、被害者とのメッセージのやり取りを自動化し、まるで人間が話しているかのような自然で感情のこもった会話を継続します。
被害者の過去の会話内容や感情の動きを学習し、それに合わせて返答を調整するため、被害者は「この人は自分のことを深く理解してくれている」と感じ、急速に信頼関係を築いてしまいます。
24時間体制での「相手」の存在
人間が対応できない時間帯でもAIが返信することで、常に相手がそばにいるかのような錯覚を与え、被害者を孤独にさせないことで、依存度を高めます。
多言語対応
AIはさまざまな言語で自然な会話ができるため、国境を越えたロマンス詐欺が容易になり、ターゲット層が拡大します。
「危機」や「緊急事態」の演出
関係が深まったところで、AIは金銭を要求するためのストーリー(病気、事業の失敗、逮捕、家族の緊急事態など)を生成します。
これもまた、被害者の同情や愛情に訴えかけるような、説得力のある物語として語られます。
過去のやり取りから、被害者が最も反応しやすい感情的なツボをAIが学習し、最も効果的なタイミングで金銭要求。
「過去のやり取りから、被害者が最も反応しやすい感情的なツボをAIが学習し、最も効果的なタイミングで金銭要求。」この一文がなかなか怖いと思いません?
こちらは過去記事ですが、国際ロマンス詐欺を取り上げています。
・SNSで起こった怖い話とベスト5
2019年の記事ですが、当時は「へえー、そんなのがあるんだ。」という感想だったのを覚えています。
メッセージのやり取りだけで互いに直接会うこともなく、しかし非常に濃密な時間を過ごしていると錯覚するような、記事にも書いたように「洗脳」に近いとも感じました。
あなたの誰にも聞いてもらえない日々の愚痴を聞き役に徹し、必要な場合のみアドバイスを出す。
そしてあなたがかけてほしい言葉を効果的に操る。
どんな時もそばにいてくれるように感じる相手なら、信じてしまうのも無理はないのかもと思ってしまいます。
その濃密な時間を過ごしているようなメッセージのやり取りをAIができるというのは、本当に脅威ではないでしょうか。
投資詐欺におけるAIの悪用
投資詐欺は、魅力的な投資話を持ちかけて金銭を騙し取る詐欺です。
AIは、この「魅力的な話」の構築と「信頼性」の演出に悪用されます。
AIが生成する「信頼性の高い」偽情報
パーソナライズされた勧誘メッセージ
自動化された「カスタマーサポート」
ディープフェイクによる「著名人・専門家」のなりすまし
金融業界の著名人や、投資の専門家になりすましたディープフェイク動画や音声を生成し、偽の投資セミナーやプロモーションに利用します。
これにより、被害者は「あの有名人が推薦しているのから間違いない」と信じ込みやすくなります。
対策の強化
AIが悪用されたロマンス詐欺や投資詐欺に対抗するには、以下の点に特に注意が必要です。
上のディープエフェクトでも触れましたが、ことお金の話になると飛びついてしまう人が多いのは事実です。
悪徳業者が運営する出会い系サイトのサクラも、初期はメッセージのやり取りだけで互いに直接会うこともなく、しかし非常に濃密な時間を過ごしていると錯覚するような状態を作り出していました。
メッセージのやり取りには悪徳業者が設定した高額な利用料金が発生しますから、やり取りをすればするほど悪徳業者が儲かる仕組み。
それが次第に「あなたを支援させてください」と、見も知らぬ誰かから支援の申し出があり、その金額は数百万円から数億円といった幅がありました。
こんなあり得ない話を信じる人が多く、愛を囁くサクラよりオイシイ話を持ち掛けるサクラへとシフトチェンジしていきます。
悪徳業者が運営する出会い系サイトでは、オイシイ話を持ち掛けるメッセージが今もなお圧倒的に多い状態が十数年続いているのです。
そこだけ見てもオイシイ話、お金の話に弱い人が多いというわけ。
AI時代のフィッシング詐欺対策
AIによる新しい手口に対抗するためには、従来の対策に加え、さらに高度な警戒心と新しい知識が求められます。
AIや機械学習の技術は、私たちの生活を豊かにする一方で、悪用されると深刻な脅威となり得ます。
これらの新しい手口を知り、適切な対策を講じることで、デジタル社会での安全を確保しましょう。
AI時代のフィッシング詐欺その巧妙な手口と自己防衛の重要性

現代社会において、フィッシング詐欺は私たちのデジタルライフを脅かす深刻な問題です。
特にAIや機械学習の進化は、その手口をこれまでの想像をはるかに超えるレベルで巧妙化させています。
AIがフィッシング詐欺を「見破りにくく」する理由
かつて、不自然な日本語や文法ミスで怪しさを察知できたフィッシングメールは過去のものです。
大規模言語モデル(LLM)のようなAI技術は、以下のような点で詐欺を巧妙化させています。
完璧な日本語と自然な言い回し
AIはまるで人間が書いたかのように自然な文章を生成し、日本語の不自然さで詐欺を見抜くことが極めて困難になりました。
高度なパーソナライズ
SNSなどの公開情報からターゲットの情報を学習し、その人に合わせてカスタマイズされたメッセージを作成します。
「〇〇様、先日の件で…」といった具体的な言及は、受信者の警戒心を解きます。
感情を操作する文章
緊急性、不安、お得感といった人間の感情に直接訴えかける表現を巧みに使い、冷静な判断力を奪い、即座の行動を促します。
ディープフェイクによるなりすまし
音声や映像をAIで合成するディープフェイク技術は、企業のCEOや家族、有名人になりすましてビデオ会議や電話で金銭を要求するなど、従来の詐欺では考えられなかったレベルの「なりすまし」を可能にしました。
香港で発生した数十億円規模の詐欺事件はその衝撃的な事例です。
攻撃の自動化と効率化
AIは、ターゲットの選定からフィッシングメールや偽サイトの自動生成まで、攻撃プロセス全体を自動化・効率化し、より少ない労力で大規模な詐欺を展開することを可能にしています。
私たちが身を守るためにできること
AIによる詐欺の脅威が増す中、私たち一人ひとりがセキュリティ意識をアップデートし、以下の対策を徹底することが不可欠です。
AI時代のフィッシング詐欺から身を守るための7つのチェックポイント
AIや機械学習の進化により、フィッシング詐欺はかつてないほど巧妙化しています。
見た目だけでは判断できない脅威から、大切な情報や資産を守るために、以下のチェックポイントを常に意識しましょう。
「少しでも怪しい」と感じたら、必ず立ち止まって確認することが、AI時代の最大の防御策です。
1. URLの最終確認を怠らない
AIが生成した偽サイトは本物そっくりです。
表示されたURLが、公式のものと一字一句同じか、不審な記号やドメインが含まれていないか、必ず手動で確認しましょう。
2. 完璧な日本語にも警戒する
AIの進化により、フィッシングメールやサイトは文法やスペルミスが激減しました。
不自然さがなくても、その内容が本当に正規のものか、別の方法で真偽を確認する習慣をつけましょう。
3. 鍵マーク(SSL証明書)の詳細を確認する
鍵マークがあっても完全に安全とは限りません。
クリックして、証明書の発行元が正規の組織名か、有効期限が切れていないかなどを確認することが重要です。
4. パーソナライズされた内容を疑う
AIは公開情報から個人を特定し、あたかも関係があるかのような具体的なメッセージで信頼を誘います。
個人情報を含む内容でも、別の手段で本人確認を徹底しましょう。
5. 緊急性・感情を煽る文言に騙されない
AIは、緊急性、不安、期待といった人間の感情に訴えかける表現を巧みに使います。
「今すぐ対応しないと…」といった内容は、冷静な判断を奪う詐欺の手口です。
6. 「声」や「映像」の相手も疑う
ディープフェイク技術により、声や映像も簡単に偽装されます。
ビデオ会議や電話で金銭や機密情報に関する指示があった場合は、必ず別の連絡手段で相手の本人確認を行いましょう。
7. 身に覚えのない誘導や要求に警戒する
不審なメールやSMSからのリンクは絶対にクリックせず、公式サイトから直接アクセスしましょう。
AIが生成した偽のニュース記事や投資話にも、安易に個人情報や金銭を提供しないよう細心の注意を払ってください。
AIは私たちの生活を豊かにする一方で、悪用されると深刻な脅威となります。
この二面性を理解し、テクノロジーの進化に合わせて私たち自身の「デジタルリテラシー」と「危険察知能力」を高めていくことが、安全なデジタル社会で過ごすために不可欠です。
もしもあなたが、まだChatGPTやgeminiを利用した経験がないなら、ぜひ一度体験し、AIのすごさを実感してみてください。
ChatGPTやgeminiは例えば、わずか3ヶ月で次のバージョンへ進化するといった、進化のスピードも体感できます。
筆者がgeminiを利用するようになったのは2025年に入ってからですが、このわずか半年での進化を正に体感し、驚かされてもいるのです。
「AIが作ったんでしょ?すぐわかるよ」というレベルでなくなっているのは確かで、実体験に勝るものはありません。
その実体験がディープフェイクによる詐欺被害を未然に防ぐということにつながるのではないでしょうか。
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知識があれば詐欺を恐れることも詐欺に遇うこともなくなります。

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