【絶対騙されないは思い込み】大阪府警の詐欺シミュレーターが暴く人間心理の盲点
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「SNSの投資広告で騙される人って、どういう思考回路しているんだろう」そう思ったことはありませんか。
実は、そう思っている人自身が最も狙われやすいのです。
SNS型投資詐欺は前年比43%増で増加中で、手口はますます巧妙になっています。
前年比43%増【SNS型詐欺】が止まらない理由を紐解く
大阪府警が公開している「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の仮想体験ツール」を試してみました。
今回は投資詐欺のシナリオを体験しましたが、ロマンス詐欺も同様に「信頼を作る」ところから始まります。
その愛してるは本物?SNSやマッチングアプリに潜む【ロマンス詐欺】の手口とは
詐欺対策の情報を長年発信してきた私でも、このシミュレーターを体験すると「よくできているな」と感じ、詐欺手口を知っていても構造の巧妙さに唸らされたのです。
これから、その全貌をお見せします。
詐欺シミュレーターを体験してみた
「どこかおかしい」と感じながらも、気づけば最後まで進んでしまう。
詐欺師が仕掛けているのは、その「違和感を超える何か」です。
それが何なのか、順を追って見ていきましょう。
入り口はアンケートという無害な顔
シミュレーションを開始すると、最初に表示されるのは「投資アンケート診断」。
「今の収入に満足していますか?」「副業で収入を増やしたいですか?」
ごく普通に見え、よくある質問です。
「少し副収入があれば」と思っている人なら自然にチェックを入れてしまう。
アンケートを終えると「あなたにおすすめの投資プラン」が提示され、LINEの友達登録へと誘導されます。
1️⃣まともなPDF
LINEを登録すると、すぐにメッセージが届きます。
「最低30万円は稼げます!実力次第ではそれ以上も・・・」
そして「投資界の巨頭」を名乗る人物から、「最強の投資術」と題されたPDFが届きます。
その目次を見ると「投資の定義」「インフレ対策」「リスク分散の考え方」など、まともな内容が並んでいます。
これが詐欺師のテクニック。
SNS経由で信頼を構築し高額契約へ誘導する手口は、投資詐欺に限らず情報商材詐欺でも同じ構造が使われています。
SNSから高額契約へ…情報商材詐欺のシナリオを暴く
2️⃣「成袈股VX」という謎ワード
PDFを読み終えると、「秘密の投資メソッド」が提案され、その名も「成袈股VX」。
変な文字列と言えばいいでしょうか、どう見てもおかしいでしょ?でも、多くの人がここで立ち止まりません。
調べても何も出てこない造語です。
こういった造語は、未上場株・私募債(企業が特定の少人数に対して発行する債券)への勧誘でよく使われる手口で、架空の商品名で特別感を演出する詐欺のパターンは以前から確認されています。
【未公開株】あなただけ特別、必ず儲かると勧誘する詐欺手口に注意【詐欺】
3️⃣数字が増えていく
専用の投資口座を作られ、言われるがまま5,000円を入金してみます。
アプリ内のグラフが急上昇し、なんと!62,565円(損益率25.13%)に。
更に言われるがまま300万円を入金すると、44,091,541円。
4千万円ですよ?300万円の頭金だけで4千万円のマンションが買えたって思っちゃった。
4️⃣出金ボタンを押した瞬間
そして「好きな金額を出金できる」と表示されたので、数字を入力して出金ボタンを押すと・・・。
口座が凍結されました
と表示され、タップするよう促されます。タップすると、このシミュレーターはお終い。
ところで、「この流れデジャヴ?」と思ったら、この記事に書いた手口だわ。口座が凍結されるまでの流れは同じ。
SNS案件詐欺から身を守る方法【TikTok・Instagramで急増中の手口と対策】
5️⃣あなたは騙されました
「あなたは騙されました」という注意喚起が表示されます。
騙されました!
詐欺師に自分の情報を与えてはいけません
個人情報を教えない!
あなたは名前やメールアドレス・電話番号を詐欺師に教えました。そのような個人情報は教えてはいけません。
うまい話に乗らない!
「必ず儲かる」「あなただけ」といった言葉で犯罪者はあなたの心につけ込みます。一旦冷静になり、家族や友人と相談しましょう。
むやみに広告をクリックしない!
インターネット上には被害の入り口となる広告や嘘の情報もあります。被害にあわないためにもむやみに広告を踏まないようにしましょう。
怪しいアンケートに答えない
アンケート元が分からないアンケートには答えないようにしましょう。また、個人情報などを聞かれた場合はすぐにサイトを閉じましょう。
⚠️SNSでの儲け話は詐欺です!
最近、SNSなどで「短期間で高リターンを得られる投資」といった誘惑的な話が増えていますが、それらはほとんどが投資詐欺です!
もしも詐欺に巻き込まれたら、すぐに警察や消費者センターに相談しよう。
・警察相談ダイヤル #9110
このシミュレーターで学べること
このツールは、詐欺の手口を知識として学ぶためというより、自分の脳が操られていく過程を体感するためのツールといえます。
体験を通じて気づけることは、大きく三つあります。
- 詐欺の入り口が「普通の広告」や「簡単なアンケート」である
- 「小さなYES」を積み重ねるうちに、いつの間にか引き返せなくなる
- 「おかしい」と感じていても、脳が違和感を消し去ってしまう
このシミュレーターが私たちに見せているのは詐欺の手口。
そしてその詐欺手口の大部分は、心理的な操作で構成されています。
お金を騙し取るために、まず人の心を動かす。
信頼を作り、違和感を潰し、感情を揺さぶり、最後は恐怖で追い込む。
この一連の流れは、精巧に設計されたシナリオです。
「信頼を作る→期待を膨らませる→逃げ道を塞ぐ」という流れは、何十年も同じです。
豊田商事もジャパンライフも、同じ構造で高齢者から数千億円を奪っていきました。
電話や訪問販売からメール、SNS、そして今やAIと、舞台は変わっても、手口の構造は変わっていないとつくづく感じます。
ジャパンライフ株式会社倒産/逮捕、預託商法詐欺に関する有名事件豊田商事や安愚牧場も掲載
かつて、情報商材やサクラ出会い系サイトは野放しに近い状態でした。
「稼げる」と書かれただけのテキストファイルが数万円で売られ、サクラを使った詐欺まがいのサービスが堂々と存在していた時代です。
被害者が声を上げても、法律が追いつかない。そんな状況を長年見てきました。
このシミュレーターを体験して、率直に思いました。警察も法律も、ようやくここまで来たんだと。
詐欺の手口を「知識」として伝えるだけでなく、心理的なプロセスまで含めて体感させる仕組みを、警察が自ら作って公開している。
被害者を「騙される側に問題がある」と見るのではなく、「精巧に設計された罠にはまった人間」として捉えている。
その視点の変化が、このシミュレーターには表れています。
【専門家解説】なぜおかしいと気づけないのか
詐欺師は、あなたの「隙」を狙っているわけではありません。
あなたの「普通の反応」、誰もが持つ心理の癖、自然な判断を利用しているのです。
まともなPDFは信頼の先払い
詐欺師が最初にまともな資料を送るのは、もちろん親切心などではありません。
「この人は本物だ」という印象を先に植え付けておくためですね。
人は一度「信頼できる」と判断した相手の言葉を、その後も信頼しようとします。
後から嘘が混じっても、「さっきまで正しかったから、これも正しいはずだ」と脳が補正してしまう。
詐欺師はこの心理を意図的に利用するのです。
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【AI依存】で脳が衰える?二つの研究が明かす思考停止と【詐欺被害】の恐ろしい関係
「成袈股VX」をスルーする理由
「成袈股VX」という、おかしな造語が出てきたのに、なぜ気づかないのかと思うかもしれません。
でも実際には、気づいていても流してしまうケースがほとんど。
すでにPDFで「専門家」という印象を刷り込まれている状態で、聞き慣れない用語が出てくると、「これは業界の隠語かもしれない。知らないのは自分だけだ」といった心理が働きます。
自分の違和感より、相手の専門性を優先してしまう。
さらに、この時点までに「アンケートに答える」「PDFを受け取る」「メッセージを返信する」という小さな「はい」を何度も積み重ねています。
疑うことはエネルギーがいるので、流れに乗り続ける方が脳にとってははるかに楽なんですね。
立ち止まることは、「ここまでの自分の判断がすべて間違いだった」と認めることを意味します。
詐欺師はその「疑うコスト」を意図的に上げていくのです。
詐欺師はその仕組みを知っているので、「気づかせないようにする」のではなく、「気づいても流れるように設計する」というわけ。
増える数字は感情を乗っ取る
画面の数字が増えていくとき、人の脳では報酬系が刺激され、論理的な判断を司る部分より、感情を処理する部分が先に動きます。
「これで一生安泰だ!」という確信が生まれた瞬間、冷静な判断力はほぼ機能しなくなってしまうのです。
画面の数字は、いくらでも偽造できますが、その数字が生み出す「感情」は本物。
詐欺師が狙っているのは、数字ではなくその感情なんですよ。
ひとつ補足しておきます。詐欺師が全員、心理学に精通しているわけではありません。
心理的な操作の手口は、組織の上位にいる「設計者」がマニュアルとして作り上げています。
「相手がこう言ったらこう返せ」まで書かれたマニュアルを、末端は作業としてこなすだけ。
アルバイト感覚で参加している若者や、自分が詐欺に加担していると気づいていない人間が働かされているケースも少なくありません。
さらに今は、AIがその「作業」を補助しています。
自然な日本語のメッセージ生成、相手の返答への対応文案など、誰でも詐欺師になれる環境が整ってもいる時代なのです。
詐欺被害に遭わないための鉄則
詐欺師は、あなたの判断力を段階的に奪っていきます。
最初から「騙されよう」としている人はいないでしょ?だからこそ、最初の一歩を踏み出さないことが、あなたにとって最大の防衛になる。
以下のワードが出たら、即離脱してくださいね。
- 検索しても出てこない造語や商品名
- 「確実に利益が出る」「9割が成功」という断定表現
- 「あなただけに教える」「秘密の方法」という特別感の演出
- 「勝手に口座を作りました」という一方的な親切
- 短期間で異常な利回りを示すグラフ
「あれ、おかしいかも」という違和感こそ、脳が正常に動いているサインです。その声を信じてください。
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